毎夜姉妹でマスク作り 「手に入らない不安 解消したい」

4368

 新型コロナウイルス感染拡大の影響で、市販のマスクは品薄状態が続いている。「手に入らない不安を解消する一助になれば」と、四日市市内で美容室を経営する山川順子さん(51)は毎夜、エステサロンを営む姉の山川清子さん(58)方に通い、布やガーゼ生地などを使ったマスク作りに精を出している。【手作りマスクを紹介する山川さん(右)と清子さん=四日市市日永西で】

 マスクが品薄となった今回、手芸が得意な清子さんが生地やゴムひもを購入しようとしたところ、これらも品薄で、事の重大さを実感すると同時に、創作意欲に火が付いた。子育て中の母親や勤め人から困っている声を聞いた山川さんが「店に置きたい」と清子さんに相談し、3月から一緒にマスクを作ることにした。

 作業は毎日午後8時ごろからで、清子さんがミシンを操り、糸の始末やゴム通しを山川さんが担う。ミシンを止めて片付けると、日付が変わっていることもしばしばだとか。ガーゼは洗うと縮むため、あらかじめ水通しをし、花粉が付かないよう室内干しする。ニット素材を使ったものは、フィット感が増すよう改良に改良を重ね、独自の形を考案した。「名付けて『エアリーマスク』。軽いので一日中付けていても楽」と自慢の出来栄えだ。

 手に入った布の色柄を見て「子どもがすると可愛いね」「男性も使えそうな色」と相談しながら進める。本職を忘れて熱中し、「まるでマスク職人」と笑う2人は「あくまでもマスクが皆さんの手に渡るまでの期間限定。洋服を選ぶようにマスクを楽しく選んでもらい、暗い気持ちを少しでも明るくできれば」と話した。

 プリーツ型や立体型、大人用、子ども用などがあり、美容室「ヘアデザイン アハト」(同市日永西)とエステサロン「ヴェルニー」(同市浮橋)で各350円(税込み)で販売している。

 問い合わせはアハトTEL059-345-9271へ。

(2020年3月28日発行 YOUよっかいち第182号)