世界舞台に仏で武者修行 ジョーンズ怜音君

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1戦1戦糧に4大大会目指す

 将来のテニス界を背負って立つと期待される少年がいる。今春、私立暁中学校(四日市市萱生町)を卒業する同市あかつき台のジョーンズ怜音君(15)だ。中学2年から親元を離れフランスへテニス留学しており、昨年は14歳以下国別対抗戦「ワールドジュニア決勝大会」に日本代表の一人として出場した。高校は通信制を選び、引き続き海外を拠点に更なる飛躍を目指す。【所属する三重グリーンテニスクラブで汗を流すジョーンズ君=四日市市西坂部町で】


 姉の影響で4歳からテニスを始め、存在感が増したのは全国ベスト16に入った小学5年の時。元プロ選手の松岡修造さんが主宰する若手育成合宿「修造チャレンジ」に呼ばれ、翌年は2つの全国大会を制覇。その翌年の国際大会では12歳以下で日本人初の優勝を果たし、トッププレーヤーの練習拠点としても有名な仏の「ムラトグルー・テニスアカデミー」から声が掛かった。

 欧州を中心にプレーするようになった昨年、全く勝てない日々が半年続き、「自信を無くした」と漏らすほど、初めての挫折を味わう。ボールの軌道予測に優れ、ディフェンス力が武器だが、レベルの高い欧州では通用せず、「ショットの軌道を変えたり、相手を振り回したり〝攻め〟が必要」と痛感。コーチとともに弱点克服に努め、昨秋には日本であった国際テニス連盟(ITF)の18歳以下の大会でベスト4に入った。

 一時帰国した1月上旬、トッププロの錦織圭選手(30)に練習を見てもらう機会があった。「ボールを前で捉えていて、言うことがない」とフォアハンドを褒められ、自分のプレーに自信が持てたが、実は緊張の余り足が震えていたそう。身長は既に錦織選手(177センチ)と肩を並べており、世界を見据え「180センチは越えたい」と願う。

 元来フレンドリーな性格に加え、米国人の父マシューさん(55)との日常会話で培った英語力で、各国の友人に恵まれている。食事が合わず、日本からパック入りのご飯やインスタント食品などを送ってもらっていたのも以前の話だ。「スマホでビデオ通話ができるので心配ないのに、つい毎日LINEしてしまう」と笑う母千絵さん(44)。離れて暮らす両親は「けがや病気をしないように」と願っている。

 ゲーム感覚で楽しんでいた幼少期を経て、世界レベルに挑戦する現在。昨年は「日本代表のプレッシャーから、自分のプレーができなかった」と悔しい経験も。海外に身を置き続けるほど厳しさを思い知るが、「テニス界に残る実力をつけて、勝てるプロになる」と力を込める。目下の目標は「ジュニアの世界ランキングを上げて、4大大会出場」。1戦1戦を糧にし、夢の舞台に立つことを誓ってくれた。

(2020年2月8日発行 YOUよっかいち第179号掲載)