北欧スタイルの住宅の建設やリフォームを手掛ける「フォレスト・オオモリ」(四日市市札場町)の岩田雅之社長(49)は、新築だけでなく、築50年前後が経過した平屋住宅を改修し、まちの環境や外観イメージなどの改善を目指す。「古くなった団地でも若い人に受け継がれ、新しい家族が増えていってほしい」という思いが込められている。【思いを語る岩田社長=四日市市札場町で】
「自分が育ち、会社を営んでいるこの地域のために、何か恩返しができないか」と考えていた岩田社長。完成から長い時間が経った団地では、空き家の増加や狭い道路が再生への課題となると感じ、「社業を通じて地域へ貢献する」ことへ情熱を注ぐことを決めた。
手掛けるのは、古い団地の住宅を全てリノベーションするというもので、温度差で引き起こされる心筋梗塞(ルビ・こうそく)や脳梗塞など「ヒートショック問題」を予防するための断熱や、基礎を補強する耐震などが代表的な工事だ。
「譲り合いの心を大切にできるように」と、道幅や敷地内の駐車場を広めに取り、対向車の待機場所として設計するなど、住み慣れたまちでも新しい雰囲気を感じてもらえる工夫も考えている。
地域への恩返しに
同社は地域への貢献を目指し13年前、「子どもから年配の人まで集まれる場所に」と、事務所向かいに「コミュニティハウス さくら」を開設。現在はサークル活動や習い事の場として1週間、昼夜を問わずさまざまな場面で利用されている。
挑戦は始まったばかりだが、「団地の再生」というキーワードを掲げる岩田社長は「家が新しく生まれ変わり、次に住む人に受け継がれていく。住み継がれる家を造り、まちの元気をつくっていくことが地域への恩返しになれば」と熱く語った。