「髪もスッキリ、心もスッキリしてもらえたら」。メイクアップアーティストに憧れて美容業界に入り、早20年。お母さん世代の髪の悩みに応える美容室「じょい」(四日市市小古曽6)で9年前から働いている。
ハリ、コシ、ツヤ、白髪など、年齢とともに増える髪のトラブル。そんな〝オトナ女子〟の悩みに特化して、健康で奇麗な髪を保つためのヘアケアを提供する。同店の客層は50代以上の女性が多く、接する距離感は親戚の〝姪っ子〟のよう。目指すのは、髪の悩みを全て任せてもらえる「かかりつけ医のような美容師」だ。
4年前に悪性リンパ腫を発症し、半年間の闘病生活を経験。抗がん剤治療で髪の毛が抜け、再び生えてくる経過をファイルにまとめた。がん治療に向かう人の気持ちに寄り添い、医療用ウィッグを作る際には体験を踏まえてアドバイスもする。
病気をきっかけに、月に1度は日曜に休みを取り、志摩市の実家に顔を出すなど、自分の時間も大切にするようになった。「いつか四日市中のオトナ女子を笑顔にする」と夢を描きながら、今を大事に生きている。