葛飾北斎の「北斎漫画」全15編を紹介、菰野町のパラミタミュージアム

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【「北斎漫画」全15編を紹介する会場の入り口=菰野町大羽根園松ケ枝町】

 三重県菰野町のパラミタミュージアムで4月5日、「浦上コレクション 北斎漫画 驚異の眼・驚異の筆」が始まった。「北斎漫画」は「富嶽三十六景」と並ぶ葛飾北斎の代表作といわれており、日常の人の動きを様々な角度から描いたと思えば、空想の世界を現実感ある姿で表現もする内容で、北斎の深い観察眼と創造力あふれる筆さばきを見て取れる。5月27日まで。

 出展されているのは、質量ともに世界一とされる浦上満さん(浦上蒼穹堂代表)のコレクションからで、摺りの年代が早く保存状態のよいものを選りすぐっているという。通常、版画は摺りをかさねることで版木が傷み、絵の細部の表現が薄れていくが、可能な限り状態のよい形で見ることができるという。会場内には摺りの状態が変わっていく様子を比較して見られる展示もある。

摺りによって変化していく絵の表現を見比べられる展示

 展示されているのは、冊子として出版された「北斎漫画」全15編の冊子状態のものと、収録された作品を個別ページごとに額にいれたものなど計210余点。膨大なコレクションをもつ浦上コレクションならではだが、冊子の綴じを解き、ばらして個々の作品を展示する手法を採っているという。

もともとの冊子の形でも展示されている

 もともと弟子たちへの絵の手本だったともいわれる1814(文化11)年の初編から、北斎没後の1878(明治11)年の15編までを順に鑑賞することができる。90歳代の晩年、最後の号(ペンネーム)として北斎が「画狂老人卍(まんじ)」と称したことにちなみ、会場の展示パネルは、天井から見ると「卍」の形になっているという。

多くの人が作品を見つめる。展示パネルは上から見ると「卍」の工夫が

 手に取れる大きさの冊子だったため、小さな作品が多いが、よく見ると、どれも細部まで描かれており、その筆力に驚かされる。同時に、彫りや摺りなど版画を世に出した当時のチームの力も感じられるという。

小さなページの中に北斎の観察眼の鋭さが分かる内容が

 関連イベントとして、4月20日午後2時から、浦上満さんが「世界を驚かせた北斎と『北斎漫画』」と題して記念講演をする。無料だが、入館料は必要。

 期間中、5月5日は午前10時~午後3時に第21回こども写生大会があり、パラミタミュージアム内はガーデンを中心に子どもたちが絵を描く予定だ。

 また、「北斎漫画」の会期に合わせ、岡田文化財団のあらたな収蔵品となった「四日市萬古」を1階第1室で初お披露目する。2024年10月に四日市市の旧家から小川半助と二代目半助が手掛けた陶器が見つかり、岡田文化財団に寄贈されたものだ。小川半助は、明治初期から戦前まで、父娘2代にわたって活躍した四日市萬古の陶匠とされる。

 パラミタミュージアムの入館料は一般1000円(4枚セット券3000円)、大学生800円、高校生500円、中学生以下無料。住所は菰野町大羽根園松ケ枝町。

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