住宅の庭から炎、枯草火災を消した3人に四日市の南消防署が感謝状

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【協力して火を消し、3人に四日市市南消防署から感謝状が贈られた=四日市市塩浜】

 三重県の四日市市消防本部南消防署は3月26日、枯草火災を協力して消した3人に感謝状を贈った。庭の枯れ草や木に火が移り、自宅や隣の事務所にまで燃え移りそうな気配を見て、ホースやバケツを使って消し止めたという。

 3人は、いずれも四日市市在住で、洲上隆斐さん(30)、藤井裕大さん(30)、下野範史さん(43)。洲上さんと藤井さんは現場近くに勤める同僚で、下野さんは偶然、現場を通りがかったという。

 感謝状の贈呈式がこの日あり、水野義隆署長がそれぞれに感謝状と記念品を手渡した。水野署長は「大きな火災にもなりかねないところ、3人の勇気ある行動に感謝します」などとお礼を述べた。

 同署や3人の話では、3月1日午後、四日市市日永5丁目の住宅の庭で火が出ているのを休憩帰りの洲上さんが見つけた。ごみを燃やしているにしては火の勢いが普通でないように思い、藤井さんに声をかけて2人で近くに見に行くと、下野さんもいて、「これ、普通じゃないですよね」。

 3人は家人の安全を確かめながら、下野さんが水道からホースで、洲上さんと藤井さんがバケツで、それぞれ水をかけて消し止めた。別の通行人が消防に連絡してくれたが、消防車が着いたころには、ほぼ消えていたという。

 一時は、住宅隣の会社のカーポートよりも高く炎が上がったといい、家人の住宅そのものにも燃え移りそうだったという。3人とも火事の現場に出くわしたのは初めてのことだったが、「3人で相談しながら行動したので、それほど慌てることもなく対応できました」などと話していた。

 全国で大きな山火事が続いており、四日市市内でも小さな枯草火災は起きているという。ちょっとした油断から大きな火災になる心配もあり、南消防署では27日に市内のショッピングセンターで野焼きなどに注意を求める啓発活動をするという。

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