三重県の四日市市議会は3月13日、予算常任委員会を開き、今議会に上程された一般会計当初予算案にある新図書館計画の用地確保のための調査費3470万円を減額(全額削除)する修正提案を賛成多数で可決した。今議会最終日の25日の本会議でも同様の結果になると、市役所北の民有地を建設用地にしようとする市の図書館計画に待ったがかかることになる。
委員会は、前日に続き新図書館計画について質疑をし、その後、今議会に上程された予算関係議案について討論、採決が行われたが、新図書館に関しては委員から修正提案が出された。「市が所有する土地で建てようと考えるのが一番のはずで、今回は、かつて候補地だった市役所東にも近い場所の土地を買うばかりか、借地までして建てようという内容で、意義が見られない」などとする提案理由だった。
委員33人のうち、委員長を除く32人の修正提案への意思表示は17人が賛成で、同一会派のなかでも賛否の判断が分かれる結果になった。調査費は新図書館の建設用地を確保するための正確な測量や、補償のための調査をするもので、これが認められないと、土地所有者との交渉も進められなくなる。
25日の本会議採決で予算常任委員会とは逆の結果になった場合は、市は当初案通り、調査費を認められ、計画を進めることになる。一方、本会議でも修正提案通りになった場合、制度上は、市が「再議」を求めることや、補正予算案など新たな提案によって新図書館計画を進めようとする方法はあるが、いずれにせよ、市の計画への市議の理解が得られないと、あらたな提案も否定されることになりかねず、市にとっては重要な場面を迎えたといえる。
この日の予算常任委員会の議論では、新図書館計画に対する反対意見は必ずしも同じ理由からではない。①市役所北の用地が購入できるならいいが、借地では将来の負担が大きくなり心配②かつて候補地だった市役所東など市有地に建てるべき③現図書館の場所で建て替えればいい④JR四日市駅前の新大学計画と合わせて用地を確保すべき⑤市街地でなく郊外に建設してもいいのではないか⑤近鉄四日市駅前での計画撤回と、その後の市役所北への転換が情報不足で、市の進め方に危惧がある、などと幅広かった。市側は、議会最終日まで、市議の個々の考えを把握していくことを求められそうだ。
予算常任委員会では、北大谷霊園に合葬墓をつくる計画について付帯決議を設ける提案もあったが、こちらは賛成少数で否決された。