三重県四日市市の南部丘陵公園にある小動物園で飼育されるカメが3月13日、冬眠用の飼育舎から、本拠地であるヤクシカらのいる飼育舎へ移された。昨年12月2日に枯れ葉を敷き詰めた冬眠用の飼育舎へ移され、枯れ葉の下へもぐりこんでいたが、気温が上がると、ときどき顔を出したり、動く姿が見られていた。
小動物園には、ニホンイシガメ12匹、クサガメ1匹の計13匹がいる。冬眠用の飼育舎に敷き詰められた枯れ葉を、飼育員がかき分けながら一匹ずつ、カメを探した。見つけると、そっと手に持ち移動用のケース中へ。カメが顔を出すと、「カメさん、おはよう」と声をかける来園者もいた。
1年の大半を過ごす「本拠地」へ移動したカメは、池の前に並べられると、次々と水の中へ潜っていった。近くには、ヤクシカが数頭寄ってきて、まるで見守るかのようにカメを見つめていた。
カメはときおり、間近で観覧できる飼育舎の外側に移動することもある。来園者が「近くで見られる」と喜ぶ様子は、まるでファンサービスのようだ。

ニホンイシガメは日本固有種のカメで、最大甲長は20センチ余。環境省レッドリストでは「準絶滅危惧種」に入っている。クサガメは韓国、中国、台湾にも分布し、最大甲長は30センチほどになるという。