四日市の「海蔵川桜まつり」今年は開催中止、倒木や落枝の怖れ、実行委員会発表

【幹の付近が腐り、折れる心配も指摘された桜の木=海蔵川桜まつり実行委員会の資料から】

 三重県四日市の桜の見どころのひとつ、「海蔵川桜まつり」が今年は開催されないことになった。地元の有志らでつくる海蔵川桜まつり実行委員会が発表した。昨年夏に樹木医に診断してもらったところ、約4分の3の高い割合で老朽化が進んでおり、危険性が指摘されたという。

 開催中止の決定により、桜の時期にされていた仮設の駐車場やトイレの設置、交通規制の案内などはすべてなくなるという。木が倒れるなどの危険性が心配されるため、今年は桜を見に来ないでほしいと呼びかけている。

 実行委員会や自治会関係者によると、数年前に樹木医に診てもらったことがあり、その時点では、「そろそろ危なくなるかも知れない」とのことだった。しかし、昨年夏にあらためて調べたところ、かなりの数の木に危険性が感じられる状態になっていたという。

 樹木医の診断の結果では、倒木や落枝で人や車両に危険を及ぼす心配があるほか、強風による倒木が心配される危険木もあったという。このため、実行委員会は堤防を管理する三重県や四日市市に相談し、今年の「第37回海蔵川桜まつり」は安全、安心な開催ができないと判断、中止を決めたという。

 海蔵川堤の桜は、1959(昭和34)年の皇太子殿下(現上皇陛下)の御成婚を記念して堤防を桜並木にする活動になったと伝えられている。海蔵橋周辺の川の両岸のソメイヨシノは約500本ともいわれる。

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