県立四日市高校(四日市市富田)放送部は、17人の部員が学校行事の司会や昼休みの校内放送を担う。NHK杯全国高校放送コンテストや総文祭などに出場し、成長を実感できる活動を続けている。
部員は校内放送や学校紹介の動画制作、コンテストのアナウンスや朗読、テレビ・ラジオのドキュメンタリーやドラマ制作などに取り組む。部長の深草沙羽さん(2年)は「人前で自信を持って話せるようになりたい」と入部した。「NHK杯全国高校放送コンテスト」の県大会で、同高の生徒がデザインした三岐鉄道のラッピング車両をテーマにアナウンスに取り組み、奨励賞を受賞。来年度は同高卒業生で作家の伊吹有喜さんの小説「犬がいた季節」をテーマに、ラジオドキュメンタリーを制作したいと考えている。
副部長の天野莉沙さん(2年)は「朗読が上手くなりたい」と入部。同コンテストの朗読部門に出場し、感情の入れ方や声のリズム、読む速さを工夫し「自分の世界観の確立に挑んだ」という。
米澤可奈さん(1年)は、何部に入るか迷い、入部届けの締め切り日に慌てて同部に決めた。表現することが好きだが、特に朗読や動画作成などやりたいことがはっきりしていたわけでなかった。コンテストでは同高茶道部をテーマにし、アナウンス部門に出場。全国大会出場を決めた。入賞は逃したが、「2年生では入賞したい」と目指す道が見つかった。
アナウンスや朗読は何が正解か分からないことも多い」と感じ、試行錯誤が続くが、部員は自分の声や個性を生かし、分かりやすく伝えることを大切にする。「話すのが苦手でも、脚本や動画編集などやりたいことが見つかるのがこの部の魅力」と話す深草さんに天野さんも米澤さんも笑顔でうなづいた。