大災害が海外で起きた場合の緊急援助派遣に備え、東海地区で国際消防救助隊(IRT)に登録されている五つの消防などが12月23日、三重県鈴鹿市の県消防学校で連携訓練をした。ロープなどを使ってけが人を載せた担架を吊り上げる救助など、ビルなどの高所を想定した動きを確認した。
参加したのは四日市市消防本部、名古屋市消防局、岐阜市消防本部、静岡市消防局、浜松市消防局、愛知県警。国際消防救助隊は1986年に発足し、総務省消防庁が全国77消防本部の約600人を選出して登録しており、被災国から要請があった場合に派遣される国際緊急援助隊(JDR)に加わって活動する。三重県では四日市市消防本部のみ6人が登録されている。連携訓練の会場が三重県になるのも久しぶりという。
訓練は24日との2日間で、消防学校にある高低差のある建物を使って進行させている。最も重要なことは、初めて顔を合わせた消防本部の隊員とも、速やかに情報を共有し、気持ちを合わせて行動できることだという。いきなり派遣される海外では、外国人の隊員と協力する場面も想定され、よその消防本部が使う救助用の道具や器具なども使いこなす必要が生じるためだ。
各地の隊員たちは入り混じって協力しあい、スタティックロープと呼ばれる伸縮性の少ない救助活動に使うロープで隊員のビルからの降下や、けが人を想定した担架の引き揚げ、ビルから地上への担架の移動など、安全手順をひとつひとつ確認しての着実な作業が進められた。