市立病院の患者対応、水道の漏水対策、教職員の働き方など質疑、四日市市議会の一般質問

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【二日目の一般質問が行われた四日市市議会】

 三重県の四日市市議会は12月9日、本会議で一般質問があり、市立病院の患者と医師の橋渡しをする相談窓口の設置、水道の漏水対策に人工衛星の画像などを活用すること、夏休みを短縮し2学期制を導入するなど教職員の働き方を考えることなどで質疑があった。

 フューチャー四日市の伊世利子さん、小田あけみさん、村山繁生さん、加納康樹さんと、新風創志会の谷口周司さんの5人が質問に立った。

〇医師と患者の関係をもっとよくするために

 伊世さんは、市立四日市病院で診察を受けた患者が、病気についての医師の説明がよく理解できないまま、手術をするかしないかの判断を求められたとする事例を挙げた。結局、患者は別の病院を探したという。伊世さんは、こうした場合の苦情などを伝えられる窓口を設置すべきではないかと求めた。

 市側は「当事者には申し訳なく思っており、今後、適切に対応していく」と答弁したうえで、「医療メディエーター」を置く窓口について検討しているが、この役割を果たせる職員の確保など課題もあり、実現していないと答弁した。医療メディエーターは、患者、家族と医師らとの間に中立的な立場で入り、関係を再構築する役割を担うとされ、伊世さんは、公募や推薦なども活用して設置を進めてほしいと求めた。

〇水道の漏水対策に人工衛星画像やAIの活用を

 村山さんは水道の漏水対策について質問した。市側は、総延長で2000キロを超える水道管を3年で一巡する形で音を聞いて異常を調べており、3年で費用は約7900万円かかること、漏水は年に9000件ほど見つかっていることなどを説明した。

 村山さんは福岡市、豊田市などが人工衛星の画像やAI分析を用いていることを紹介し、市も検討してはどうかと求めた。市は、現時点では熟練した調査員が音で調べることが最も確実だが、人工衛星の画像やAI分析は一定範囲でのリスクを浮かび上がらせることには効果があると見ていると答弁した。

〇夏休みを短縮し2学期制に、伊坂ダムにトイレトレーラーを

 谷口さんは、教職員の長時間労働の解消策として、夏休みを短縮し、2学期制を導入することを提案した。普通教室にエアコンが普及した今、授業日数を増やすことで、1日6時限の授業を5時限に減らし、教師も子どももリフレッシュした学習ができるとした。また、3学期から2学期にすることで、行事などを減らして授業時間を確保できることも挙げた。

 市側は、それぞれに一定のメリットがあることも認めつつ、一方で、夏休みは教職員の研修など自己研鑽の時間でもあり、最近の夏の暑さから夏休みの延長を決める自治体も出ていること、2学期制にしても、進路などの懇談会の設定などは同じように必要になることなどを挙げ、現時点では変更を考えていないと答弁した。谷口さんは、まずは現場の教職員に、どう思っているのか、声を聞くべきだと求めた。

 谷口さんは、サイクルパークのある伊坂ダムの西側にトイレがあると便利だとし、災害時の避難所で注目されたトイレトレーラーを置くことで、パークの利用者に便利になり、防災の取り組みのPRにもなるのではないかと提案、市側も関係部局で検討したいと答弁した。

〇こどもまんなか社会、市営住宅のあり方

 小田さんは、「こどもまんなか社会」の実現を意識し、スポーツ施設や公園などで練習する子どもがけがをしないよう、大人が安全な場をつくるよう求めたほか、「こども計画」を作成中の市に対し、子どもたちの本当の声を聞きだせるよう大人としてのやるべきことを考えてほしいと求めた。

 加納さんは、長寿命化、入居停止後の対応、管理の民間委託などをキーワードに、市営住宅の最近の実例などを挙げ、今後のあり方についての考えを聞いた。三重市営団地では、上層に住む高齢者のためにエレベーターを設置する予算が議会を通ったものの、一部だけに設置するのは納得できないと地元の理解が得られず、事業化できなかったことが説明された。高齢者が低層階に優先的に転居することなどは努力が進んでいることも説明された。また、複数の市営団地の統合の予定がある一部では、転居などが進み、跡地について売却などが検討されていることも答弁された。