「金出せや、こら」と怒鳴り散らす男が押し入り、発砲音が響いたのは、百五銀行追分支店(四日市市前田町)で12月6日、金融機関を狙う強盗事件に備えようと行われた訓練の様子。支店の職員や四日市南警察署の署員らが参加し、対応などを確認した。
拳銃を手に押し入った犯人は「バン!」といきなり発砲。「落ち着いてください」と職員が声をかけるも、「金出せ、誰でもええわ」など怒鳴り声をあげて職員を脅す。職員が時間稼ぎの狙いもあり、金庫にある金をバッグに入れると、「遅いいんじゃ、はよせんか」とさらに怒鳴り声をあげる犯人役の警察官。
「金、ここへ投げろ」と怒鳴る犯人に、金の入ったバッグを手渡した職員。入り口から逃げる犯人をカラーボールを手に追いかけるところで訓練は終了した。駆け付けた警察官に、犯人の特徴などを聞かれ応える職員ら。身長や髪型、服装などを伝える。一通り、聞いたあとは犯人役の警察官が読んで、伝えた情報がどれだけ合っているか確認した。
三重県内では、金融機関を狙った強盗事件は、昨年と今年12月6日時点までは発生していないが、今年は全国で10件が発生しているという。訓練後は、南署生活安全課の阿曽悟課長が講評し、支店内で訓練時と同じような場所に職員全員がいない可能性もあることから、「誰かが外へ出て、強盗ですと周囲に知らせたりすることも大切です」などと職員に助言していた。