新たな体験型返礼品など発表、森智広市長は演歌熱唱でPR、三重県四日市市が「ふるさと納税 返礼品祭」開く

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【和装で決め、「まつり」を熱唱する森智広市長=四日市市鵜の森1丁目】

 三重県四日市市が11月28日、地域の魅力的な体験や生産品を伝えようと、「ふるさと納税 返礼品祭」を開いた。披露宴など晴れの場に四日市諏訪太鼓の演奏を届ける出張型体験返礼品も考案し、会場の老舗ライブハウスで、今後のPRに使う映像収録も兼ねて実演した。昨年、ロックンロールを歌って宣伝の先頭に立った森智広市長は、今回は北島三郎さんになりきって「まつり」を熱唱、市への寄付額アップを願い、こぶしを高く掲げた。

 近鉄四日市駅西のライブハウス「クラブケイオス」のステージ上では、森市長が11の返礼品を紹介した。体験型では、男子バレーボールのヴィアティン三重、女子ラグビーのパールズの選手によるアタックとタックルが体験できる「アタックル感動体験」▽ナローゲージ(特殊狭軌)の「四日市あすなろう鉄道」で一日駅長や、列車貸し切りができる体験▽ガイドが添乗する60分の四日市コンビナート夜景クルーズ「幻想夜航」▽経験豊富なプロが指導してくれるコンビナート夜景のドローン撮影体験が紹介された。四日市諏訪太鼓の出張型返礼品は、東海3県限定だが、結婚披露宴などの祝い事の会場に出張して演奏する内容で、長野県から半世紀以上前に四日市市に伝わり、地元の芸能として愛されている諏訪太鼓の迫力に触れられる。

迫力ある演奏を披露した四日市諏訪太鼓の保存会のみなさん

 生産品の紹介では、テレビCMなどでもおなじみの「Yogibo(ヨギボー)」のプレミアムシリーズ▽ブランド幼児服「ファミリア」の「ツーウェイオール」▽プレミアム卵「きららの里」の30個入り▽高級粕漬の老舗ブランド水鮮がつくる「水鮮銀鮭」の切り身▽皇室献上やG7伊勢志摩サミット選定などの製茶ブランド「萩村製茶」の「お抹茶 泗翠」が紹介された。四日市市に生産施設がある意外な商品は多いそうだ。

 返礼品紹介のあと、ステージで映像収録を兼ねた演奏があり、まずは保存会による四日市諏訪太鼓の演奏があった。森市長は紋付き袴の和装で北島三郎さんの「まつり」を歌い、「さぶちゃん」ならぬ「ともちゃん」コールも沸いた。クラブケイオスでは本格的なステージでPV(プロモーションビデオ)を撮影し、DVDなどの形で返礼品にしている。記者から舞台の感想を聞かれた森市長は「市長選から数日で、準備不足でした。今年も予想を上回るペースで寄付をいただいており、四日市のためにがんばっていきたい」などと話した。

会場には団扇で応援する即席ファンも

 四日市市のふるさと納税は、2023年度は寄付額を前年度比3.8倍に伸ばしたといい、10年続いた赤字の拡大に歯止めをかけることができた。その後も新規返礼品の開拓に力を入れており、現在、色のバリエーションなども含めれば、2600~2800種類まで増えているという。今年度の寄付額も前年度比で約2.2倍の伸びになっているといい、市の予想を上回っているという。