三重県四日市市で作られた酒米、醸造する酒蔵、販売するのは市内酒屋の店頭など全ての過程が「四日市だけ」という「まるごと四日市の酒『MARU YON』」が12月4日に発売される。今年で9年目の販売となり、酒店や醸造会社の代表が11月27日、発売を前に記者会見を開き、思いを話した。
四日市市内の酒店である義侠屋(鵜の森)、旨喜酒専門店KOBA(生桑町)、ソムリエひろしの店蔵屋(下之宮町)、リカーパークまるち蔵(西新地)、福田屋酒店(東富田町)の5店の店主らが、「みんなで郷土を盛り上げたい」という思いのもと2016年から取り組む。醸造を担当したのは丸彦酒造(川島町)で、社長の藤原大地さんは「香りも味わいも楽しみな出来上がりになりました。食事との相性もよく、日本酒好きの方はもちろん、これから日本酒を楽しみたいという方にもおすすめです」と話した。醸造は最初の2年が桜地区の伊藤酒造、次の4年を楠地区の宮崎本店が担当した。
米づくりは、四日市市の齋藤農場が引き受ける。ラベルは、米農家、酒蔵、酒店、そして、この酒を味わう人の四つの丸を重ねた波紋となっていて、地産地消の言葉通り、作るところから買うところまで「四日市だけ」という地産地消で、究極の四日市の酒だ。
「四日市でしか買えない酒」のため、通販もしないが、市外、県外の人でも四日市市を訪ねてくれれば、店頭で買うことができる。この酒を仕入れている市内の飲食店約100店舗で味わうこともできる。また、四日市市が購入者という前提で、「ふるさと納税」の返礼品にも登録されている。
発売日には売り切れ近い状態になるほど、例年人気だそうで、5店舗の店主らは「四日市で全て完成させたお酒。これを中心に四日市に住む皆さんが深いつながりができるきっかけになれば」などと酒やポスターを手に笑顔で話していた。
販売は、720mL入り1760円、1.8L入り3520円。問い合わせは丸彦酒造TEL059・321・3111へ。また、例年、「MARU YON」の売り上げの一部は、市へ寄付しているという。