【四日市市長選2024】期日前投票始まり選挙は本格化、辻々や夜の個人演説会で候補者訴え

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【期日前投票所には投票用紙を手に市民が訪れている=四日市市諏訪町】

 三重県の四日市市長選は週明けの11月18日から期日前投票が始まり、同19日も投票用紙を手にした市民が開票所を訪れている。候補者が公約などを掲げた選挙公報も各戸に届き始めた。候補者は車や自転車で市内を回り、辻々や夜の個人演説会場で市の将来を語っている。選挙公報やこれまでのインタビューなどから各候補の訴えなどをまとめた(届け出順)。

 〇森智広さん(46)=無現

 「31万人元気都市宣言!」として、8分野29施策の政策集を発表した。全小中学校の体育館・武道場の空調整備をやり切ることや、優良な芸術やスポーツに触れられるよう、「こどもみらいクーポン」を支給する新事業などを掲げた。新図書館建設、新大学設置など、近鉄四日市駅周辺からJR四日市駅にかけての中央通り再編を市の街づくりの起点にと考え、「少子化時代に四日市が都市の活力を持ち続けられるよう、余裕のある今こそ、新しい街づくりに取り組む必要がある」と訴える。監査法人勤務などを経て四日市市議に。2016年の同市長選で初当選し、2020年の2期目は市長選では57年ぶりという無投票での再選だった。3人の男の子の父親でもあり、一緒に自転車で遠乗りをして同じ時間を過ごすことが楽しみのひとつだという。

森智広さん

 〇伊藤昌志さん(54)=無新

 「みんながワクワクする四日市へ」として、「ハコモノから人へ!!」と公約10策+α(市長給与50%カット)を掲げている。公約の筆頭格は「市民税10%減税」と「全市民に1人5000円のお買物券」で、「黒字が続いている四日市の余裕を市民のために使い、箱ものや巨額の事業に偏った財政運営を続けてはいけない」と主張する。少子化時代でも予防医療に力を入れ、生活しやすい市づくりをすれば、市に住みたい人が増え、市は発展すると訴える。順天堂大学体育学部健康学科などで学び、スポーツや健康づくりの指導にあたり、東日本大震災でのボランティア活動を通して政治を志すようになり、2019年に四日市市議に初当選した。「人生の後半は政治活動に力を入れる」との思いから、県議選や衆議院議員選挙にも挑んできた。

伊藤昌志さん

 〇小川政人さん(76)=無新

 選挙公報には「市政をこのまま次世代に渡せない」と書いた。財政運営の考え方について今の市政に疑問を感じるとし、「基金に金を積み増すより、水道管の改修などインフラや災害対策など必要なところに投入すべきだ」と話す。新図書館の建設候補地が旧スターアイランド跡地から市役所北へと変更になったことを例に、「情報公開が足りない。図書館をつくることを悪いとはいわないが、もっと状況を説明すべきだ」と、情報のガラス張り化を主張する。1991年に四日市市議に初当選し、以後、連続8回当選。議長も務めた。2000年の東海豪雨で十四川が氾濫して浸水被害が起きたことに対し、市の管理などを問題にして裁判を闘った。その時の市側の説明などには今も疑問を持ち続けていることを、選挙公報の内容に書き込んでいる。

小川政人さん

 四日市市長選の期日前投票は市総合会館、三重北勢健康増進センター、市防災教育センター、市中消防署中央分署、市南消防署南部分署、市北消防署北部分署で11月23日まで(午前8時30分~午後8時)、トナリエ四日市4階わくわく・ふれあい広場では11月21日~23日(午前10時~午後8時)に投票できる。