152キロ右腕 野球U23日本代表で好投  四日市商業高校出身の後藤凌寿さん

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【投球練習をする後藤さん=愛知県豊田市】

 9月に中国で開かれた「WBSC U‐23ワールドカップ」に投手として出場し、侍ジャパン(野球日本代表)の優勝に貢献した四日市市出身の後藤凌寿さん(22)=トヨタ自動車。精度の高い変化球と、最高球速152キロのストレートを生かした緩急ある投球が持ち味だ。「支えてくれた人に活躍する姿を見てもらい、恩返しがしたい」と意気込んでいる。

 小学3年生の時に同市のあがた野球少年団でプレーを始め、市立大池中学校、県立四日市商業高校へと進学。「20人程度の部で、のんびり野球を楽しめたら」という気持ちでいたため、甲子園は意識していなかったと振り返る。

 投手兼遊撃手で、3年の時は主将を務めた。球速は140キロに達したが、最後の夏の県大会は2回戦負けを喫した。卒業後は就職するつもりだったが、大学野球の東北の名門・東北福祉大学(仙台市)から声がかかり、進学した。

 1年生からリーグ戦に出場するも、肩を傷めてしばらく調子が戻らなかった。筋トレなどでフィジカルを強化し、3年生の秋に復調し、日本代表候補に選ばれ、代表合宿に参加した。球速は152キロを記録し、4年生の時ドラフト会議を前にプロ志望届を提出したが、順位縛りの影響もあってプロ入りは叶わなかった。

 今年4月、社会人野球の名門チーム・トヨタ自動車に入団。大学時代は球速に重点を置いていたが「速さだけでは通用しない」と、球の回転数や回転軸の角度も追求するようになった。体幹が弱いとも感じ、ウエイトトレーニングにも重点を置いている。

プロ目指す

 7月の都市対抗野球は、野球人生で初の全国大会となった。東京ドームでのプレーは緊張したが、当日は楽しむことができたという。

 その後のワールドカップでは、オーストラリア戦と韓国戦に登板。韓国戦に先発で登板し5回1失点の好投を見せ、チームの逆転勝利に貢献。登板はしていないが南米など体格のいい選手との試合では、球がバットにかすっただけでも遠くに飛び、力の差を目の当たりにした。

 球種は5つで、ウイニングショットはストレートとスライダー。打たせて取り、テンポよく進めるのが投球スタイルだ。先発で登板する中で、ストレートの精度が課題だと感じたという。

 現在は愛知県豊田市の社宅で暮らしているため地元が近く、高校野球部の時の仲間と一緒に遊ぶこともある。社会人野球は伊勢市や松阪市での試合もあるため、「活躍を間近で見てもらえることがうれしい」という一方、「プロになった姿を支えてくれた人に見てもらい、感謝を伝えたい」との思いも抱いている。

【ボールを手にする後藤さん】