四日市市戦没者合同追悼式で平和の誓い 富洲原中学校3年生

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【献花をする生徒ら=四日市市泊村】

 四日市市立富洲原中学校(同市天カ須賀)3年生が11月3日、同市泊村の泊山公園で開かれた四日市市戦没者合同追悼式に出席した。広島での修学旅行や授業を通して学んだことを生かし「平和の誓い」を行い、戦没者に献花を捧げた。

 同中では1年からSDGsに関する探究学習(SDGs Talks)に取り組み、四日市空襲をテーマに選んだグループがある。市から生徒らに追悼式で「平和の誓い」をしてほしいと依頼があり、そのグループが、生徒代表として参加することになった。

 修学旅行で広島を訪れ、現地の人から原爆に関する話を聞き、戦争や平和に関するキーワードを学年全体であげ、誓いの文面を作成した。また10月には、四日市空襲の体験を語り継ぐ動画を制作した同市小杉町の出口敦子さん(62)を招いて、話を聞き平和について考える機会を持った。

 森智広四日市市長の式辞、来賓や遺族会の追悼の言葉の後、森琥汰朗さん、武田栞央莉さん、鈴木陽向さんの3人が交代で「平和の誓い」を読み上げた。

【誓いを読み上げる生徒】

 「開戦の糸口を切ったのは日本」と話し、「今生きる世界は本当の『平和』ではない」と思う生徒たち。「2度と悲劇を生まないためできることは、事実を正しく知り、自らの思いと共に伝えること」と宣言。自分たちが、人とのつながりを強くし、周りの人と助け合い、より楽しく過ごせる学校や社会を作ること、悲劇を忘れず、平和が保たれる世界を築いていくことなどを誓った。誓いを読み上げた武田さんは「戦争が起こり、自分の家族が死んでしまったらと、思いを巡らした。過去や遠い国の事としてではなく、自分のこととして考えることができた」と話した。

 誓いを聞いた出口さんは「事実から目を逸らさず、学んでいきたいという生徒の志が心にしみた」と話した。