あらたな検査結果公表、四日市公災害市民ネット、PFAS濃度高い施設の調査を市に求める

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【検査結果を公表する代表世話人の(左から)森下裕二さん、松岡武夫さん、萩森繁樹さんの3人=四日市市諏訪町】

 三重県四日市市でPFAS(有機フッ素化合物)の汚染状況を調べている市民グループ「四日市公災害市民ネット」は11月1日、独自に実施した4回目の水質検査の結果を公表した。暫定目標値(50ng/L)を上回っているキオクシアの工場排水、三滝川上流域の矢合川、日永浄化センター第2系統について、同日、市環境政策課などに原因を調査するよう求めた。

 調査は20余カ所で7月下旬から8月初めにかけて行い、これまでと同様、京都大学の原田浩二准教授に協力を求めた。キオクシア工場では、規制の対象となっているPFOSとPFOAの合算値が第1排水口で67.77ng/L、第2排水口で112.00ng/Lだった。PFOAの値は1月の調査より低くなっており、独自に活性炭などを使ったとされる同工場の取り組みに一定の効果は見られた。しかし、欧州などで規制の動きが進んでいるPFNA、PFHxAや、代替使用が広がっている7H-PFHpAなどでは濃度が高く、活性炭による除去が難しいものもあるようだ。

 三滝川上流域の矢合川では、国道306号沿いに枝流を上ったところの濃度が大きく、調査時期に関係なく高い数値のままだった。上流域に産業廃棄物の埋め立てがあったとされ、かなり以前から影響が続いてきたのではないかという。今回、飲み水への影響を確かめるため、桜地区の井戸水を5地点で調べたが、PFOS、PFOAは非検出か暫定目標値を大きく下回る数値だったという。

 日永浄化センターでは、現在稼働中の3系統のうち、市街地などを含む第2系統でPFOS、PFOAを合わせた値が106.87ng/Lと高かった。原因物質がどこから流入したのかは現状では分からないという。

 四日市公災害市民ネットは、市議会にPFAS汚染の実態を市が把握するよう求める請願を提出したが、6月、8月の各定例月議会で、いずれも審議延期となった。次の11月議会で再度、審議されるが、今回の調査結果について追加で説明することを求めたいとしている。最新の検査結果の公表は、代表世話人の松岡武夫さん、森下裕二さん、萩森繁樹さんの3人が出席し、説明した。