マッチングギフト方式でお米を子ども食堂などに寄贈、JAみえきたが全国のJAで初の取り組み

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【贈呈式の最後に記念撮影するみなさん=JAみえきた本店】

 子ども食堂など子どもの居場所を提供している団体に利用してもらおうと、JAみえきた(生川秀治代表理事組合長)がJAでは全国初の「マッチングギフト方式」でお米を寄付する取り組みをし、10月30日、贈呈式があった。米の価格が上がるなど食材確保に苦労しているタイミングで、子どもを相手に活動している団体からは歓迎の声が聞かれた。

 マッチングギフト方式は、社会のためにと考える生産者からの寄付に、JAみえきたが同じ量を積み増し、倍にして寄付する。今回は、管内の北勢3市5町の19の生産者(個人、団体)から20俵(約1200キロ)の米が寄せられ、JAみえきたが20俵を加え、計40俵(約2400キロ)にして寄贈する。管内などで子どもの居場所を提供している13団体に分けて贈られる。寄贈先の選定には、提供する側と必要とする側を結びつける三重県のニーズ・シーズマッチング事業を活用したという。

〇生川代表理事組合長「この試みが全国に広がるよう」

 贈呈式は四日市市鵜の森1丁目のJAみえきた本店であり、13団体のうち8団体の代表者が出席した。生産者側からは、桑部営農組合の伊藤豊組合長、上之輪営農組合の片桐浩司組合長、株式会社かたおかファームの片岡節男代表取締役が出席した。

 JAの生川代表理事組合長が「平成の米騒動ともいわれたこのタイミングで寄贈できてよかった。今回、生産者のみなさんからはびっくりするようないい米を出してもらいました。こうした試みが、全国に広がるといいと思います」などとあいさつした。お米は、農薬などを抑えた特別栽培米などだという。

〇吉岡真弓さん「『ごはん、おかわり』の声楽しみ」

 県社会福祉協議会の井村正勝会長から生川同組合長に感謝状が贈られ、贈呈先の団体を代表し、「わくわくフレンズ」(桑名市)の吉岡真弓さんがお礼の言葉を述べた。吉岡さんによると、子ども食堂に参加する家族の中には子どもが多いところもあり、最近の食材の高騰で、「子どもにも我慢してもらってる」などと話すお母さんもいるという。「ごはん、おかわり」と元気に駆けてくる子どもの表情が大好きだという吉岡さんは、「子どもたちに代わって、感謝の言葉を言いたいです」とお礼の言葉を結んだ。

団体を代表してお礼を述べる「わくわくフレンズ」の吉岡真弓さん

 今回、寄贈を受けたのは次の13団体。ゴールドエイジさつきちゃん食堂▽子ども食堂いな穂▽甘露の灯▽子ども食堂四つ葉SK▽わくわくフレンズ▽川島こども食堂たけのこハウス▽みんにこ▽常磐子ども食堂▽地域食堂いしぐれ▽ち~家こども食堂▽楽しみの会▽ガレット▽NPOサクアオ