三重県四日市市の県小学校で10月20日、楽しみながら防災について学ぶ「イザ!カエルキャラバン!inあがたっこwithキュマちゃん」が開かれた。義務的に参加する防災訓練ではなく、ゲームや遊びの中で、いざという場合に何をすればいいかを学ぼうと企画された。小学生約70人と保護者、スタッフら100人を超す人が参加した。
県地区子ども会育成者連絡協議会と四日市市県地区市民センターが主催し、NPO法人プラス・アーツが協力、県地区まちづくり委員会が後援した。運営には四日市消防団県分団・女性防災クローバーが協力した。タイトルにある「キュマちゃん」は県地区女性防災クローバーのキャラクターの名前という。
会場になった体育館には8つの防災体験プログラムが用意された。子どもたちは好きな順番でクイズや体験に参加し、ポイントをもらう。参加賞やポイントによるプレゼントも用意された。
「なまずの学校」は、災害時に活用できるものを質問を聞いてカードで選ぶ。ジャッキアップゲームは、机の下敷きになったぬいぐるみをジャッキを使って助け出す。いざという場合に使える防災グッズを記憶するゲームや、家具の転倒防止策の間違いを探すベーム、水消火器で火の形の的を倒すゲームもあった。ゴミ袋でポンチョづくりの体験では、季節に合わせて黒い袋にハロウィーンの飾りをつけ、完成すると子どもたちは実際に被って楽しんだ。
今回が初登場のプログラムは段ボールでスツールをつくる体験と煙体験。どちらも人気だった。県地区の「イザ!カエルキャラバン!」の催しは3年目になるといい、毎年参加している子もいた。
「イザ!カエルキャラバン」は災害が起きた時、「ピンチをチャンスにかえる」願いも込めて、この名があるという。阪神・淡路大震災の教訓や知恵を次世代に伝えたいと、防災訓練に「体験する楽しさ」を加え、地域の防災力を高めようとしている。
もともとは、地域の防災訓練プログラムと現代美術家の藤浩志さんが考案したおもちゃ交換会「かえっこバザール」を組み合わせた防災イベントが始まりとされ、子どもたちが遊びの延長で防災の知識を身につけられる活動として2005年に始まったという。三重県では伊勢市や津市などでも開催されており、日本各地で採り入れている地域があり、インドネシアなど海外にも広がっているという。