景況感2半期連続で悪化、4割強の企業が生産性向上に取り組み、三十三総研経営者アンケート

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【景況感は2半期連続悪化も改善の見通し。4割強の企業が生産性向上の取り組み(記事中の写真はイメージです)】

 三十三フィナンシャルグループのシンクタンク、株式会社三十三総研(東海悟代表取締役社長)が、第57回経営者アンケートの調査結果を発表、同総研のホームページなどで公開している。景況感は2半期連続で悪化したが、来期の2024年度下期は改善する見通し。特別調査で生産性の向上に向けた取り組みについてたずねており、4割強の企業が「現在取り組んでいる」と回答した。

 調査の対象は、三十三ビジネスクラブ会員で、資本金1憶円以下の三重県下の法人企業1642。調査は8月下旬~9月中旬、郵送およびインターネットで行った。回収は594で、回収率は36.2%だった。なお、経営者アンケートは年2回(3月、9月)に実施しているという。

〇製造業は3半期ぶり改善、建設業は4半期ぶり悪化

 同総研のまとめによると、景況感を示す景気判断DI値(良い・増加などの割合から悪い・減少などの割合を差し引いたもの)は、2024年度上期(2024年4月~2024年9月)がマイナス16.7だった。11半期連続でマイナスになったことに加え、マイナス幅が前回2023年度下期(2023年10月~2024年3月)のマイナス13.9から2,8ポイント悪化しており、景況感は2半期連続で悪化した。来期(2024年10月~2025年3月)のDI値はマイナス8.9とマイナス幅は縮小し、経営者の景況感は改善する見通しだという。

 業界別では、景気判断DI値は製造業が11半期連続でマイナスだったが、3半期ぶりに改善(マイナス33.3→マイナス24.5)、建設業が11半期連続でマイナスになり、4半期ぶりに悪化(マイナス5.8→マイナス23.7)、非製造業が13半期連続でマイナスになり、2半期ぶりに悪化(マイナス14.0→マイナス20.0)した。

〇生産性向上の課題「従業員の不足」4割強

 売上高のDI値は製造業が4半期ぶりに改善(マイナス18.9→プラス3.3)、非製造業も3半期ぶりに改善した(プラス4.6→プラス10.0)。建設業は2半期ぶりに悪化(プラス4.4→マイナス13.8)してマイナスに転じた。

 利益状況のDI値は、製造業が3半期ぶりに悪化(マイナス12.9→マイナス14.0)、建設業(マイナス3,7→マイナス9.9)、非製造業(プラス0,3→マイナス2.9)も、それぞれ2半期ぶりに悪化した。

 設備投資の実施状況は、「実施した」企業の割合が2半期ぶりに減少(36.8%→35.5%)。在庫状況は「過剰」とみる企業の割合が2半期ぶりに減少(7.6%→5.1%)、雇用状況は「不足」とみる企業の割合が2半期ぶりに減少(49.2%→44.4%)した。

 生産性向上への取り組みについての特別調査では、「現在取り組んでいる」と回答した企業の割合が43.9%で最も高く、取り組む目的については「企業収益の増加」と回答した企業が64.4%で最も多かった。取り組んでいることについては「新規顧客・販路開拓」と回答した企業の割合が46.0%で最も高い。生産性向上を進めるにあたってどのような課題や障壁があるかの質問には「従業員数の不足」と回答した企業が41.9%で最も多かった。