全国ワースト3の待機児童数どう解消? 四日市花火大会試験の結果は? 市議会一般質問

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【待機児童の解消や四日市花火大会などの質疑があった一般質問=四日市市議会】

 三重県の四日市市議会は9月30日、一般質問があり、保育所などの空きを待つ待機児童数が全国ワースト3になった市の現状の解消策、四日市花火大会復活への試験打ち上げの結果などで質疑があった。合葬墓の整備については市側も前向きな検討を答弁した。

 この日はフューチャー四日市の小田あけみさん、村山繁生さん、竹野兼主さん、新風創志会の谷口周司さん、山田知美さんの5人が質問に立った。

〇待機児童問題、あらゆる対策の検討を

 谷口さんは、市の年度当初の待機児童数が72人で全国ワースト3だったことを指摘し、「子育てするなら四日市」を打ち出している市として、どう解消するのかと迫った。

 市によると、待機児童数は森智広市長の就任後、2019年から2023年の5年続けて年度当初ゼロだったが、今春、復活した。市側は保育士の不足が大きな要因とした。今後、保育士の処遇改善などに取り組むという。

 森市長も答弁に立ち、「6年ぶりに72人、ワースト3になり、申し訳なく思う。就任時から解消に尽力し、定員を拡大するなどしてゼロが続いてきたが、今回は保育士不足などいつもと異なる事情があった。まずは保育士の確保にしっかり取り組み、1年でも早い解消をしたい」と話した。

 谷口さんは、保育園に入れないなどの理由で家庭で保育を選んだ保護者への支援給付金や、幼稚園での2歳児の受け入れ、四日市市だけでなく近隣市町と協力しての解決など、あらゆる対策を検討してほしいと求めた。

 谷口さんは、現在、25組26人いるとされる市の観光大使について、市が適切な情報を提供していないなど、このままでは見直しが必要だとし、「だれでも観光大使」「子ども観光大使」「Vチューバー」など、新たな発信を試みている自治体も多いと改善を迫った。

〇花火は「おおむね満足」の評価、合葬墓の整備も検討

 村山さんは、四日市花火大会復活に向けた8月の試験の結果を質問した。市側は70数発を打ち上げ、調査員からは「許容できる」など、おおむね満足したとの評価が得られたとし、2025年度以降での開催に努力すると回答した。観覧席7000~8000席が確保でき、アンケート調査などから3000円~8000円なら購入してもらえそうな見通しだという。

 村山さんは無縁仏問題を解消する意味などから、行政として合葬墓の整備を進めるべきだとも指摘。宗教法人の一部の意見もあり、立ち止まっているが、話し合いの余地はあり、公と民のすみわけなどを考えつつ、行政の役割としてしっかり進めてほしいとした。市側は終活支援活動なども含め、行政として何をすべきか考えていきたいと前向きな検討を回答した。

〇通級指導教室の利用しやすさ、磯津・楠の防災対策

 小田さんは、通常学級にいる比較的軽度な言語や発達障害を抱える子を支援する通級指導教室について質問した。市内では小学校8、中学校3に設けられているが、設置されてない学校に通う子どもは親が教室のある学校まで送迎している。共働き家庭などでは会社の休みを取るなどの負担があるという。

 市は県教委との連携で教室を増やしてきたが、指導する担当者の確保などもあり、現状では送迎してもらうことで対処しているという。東京都など巡回方式を採用している例もあり、参考にしながら今後の充実策を検討したいと回答した、

 竹野さんは、磯津、楠の漁港周辺の堤防などが、国、県、市の管轄が入り組んでいて、古い堤防や施設などの見直しで責任が不明確にならないよう、住民を守る論議を進めるよう求めた。また、これが7回目の質問になるとして、前立腺がんの兆候をつかむPSA検査について、すでに県内では11市が実施しており、四日市市も取り組むべきではないかと求めた。市側は、死亡率減少を目的とする対策型検診の胃がん、乳がん、大腸がんなど五つの検診を進めていると回答、竹野さんは、他市に後れをとることのないようにと求めた。

〇事業承継、今から検討を

 山田さんは、事業承継について質問。雇用や技術の継承が途切れないことが重要で、そのための支援を検討してほしいと求めた。三重県の後継者不在率は全国的には低い方だといい、「防災と同じで、余裕があるうちに準備を進める必要がある」と指摘した。事業承継には3年ほどかかるとの調査結果もあるという。事業を始めたいと考える創業支援と、後継者を探す事業承継をセットで考え、出会いの場をつくることも提案した。市側は、四日市商工会議所など各機関と連携した支援ネットワークの活動を進めていることなどを紹介したうえで、創業支援と事業承継の組み合わせについても研究していきたいとした。