トイレトレーラー導入を、農業地区の市道は速度を落として、四日市市議会で一般質問始まる

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【一般質問が始まった四日市市議会=四日市市諏訪町】

 三重県の四日市市議会は9月26日、本会議で一般質問が始まった。能登半島地震などで注目されたトイレトレーラーの導入を求める質問に、森智広市長が検討を約束した。農業地区を走る市道で速度を出す車が多く、交通安全の点からも方策を求める質問もあった。

 この日は公明党の樋口博己さん、荒木美幸さん、中川雅晶さん、政友クラブの上麻理さん、笹井絹予さんの5人が質問に立った。

 トイレトレーラーは荒木さんが取り上げた。車で移動でき、複数の人が一度に使える。現在、全国で22台が登録され、さらに13自治体が導入を希望しているという。市は、災害がない時にはどんな活用ができるかを研究しているとし、森市長も答弁に立って、「導入をめざして、平常時の使い方などを具体的に考えたい」などと答えた。荒木さんは、災害時の食事の提供や交流の場づくりにキッチンカーも有効だと、合わせての検討を求めた。

〇十四川の桜並木を守りたい

 荒木さんは富田地区で明治から続く十四川の桜並木について、後世に残したいが老木が目立ち、地域の維持管理も苦労していると指摘した。約600本のうち70余本が老木で、小学生の通学ルートにもなっているという。市は観光や河川の堤防管理などさまざまな関係部署が検討していくとした。

 樋口さんは、マイナンバーカードの健康保険証としての利用促進について求めた。市側の答弁では、マイナ保険証は、受診時の使用が2割を下回っており、救急搬送時のマイナ保険証の利用試験でも、データを利用できたのは7%程度と低く、普段から所持されていない状況が垣間見えた。

 中川さんは、地方自治法で地域との協働が重視され、協働相手となる指定地域共同活動団体などとの関係を行政のリーダーシップで考えていってほしいと求めた。障がいのある子どもの学びや体験の機会を増やす観点から、市の行う幾つかの企画や催しの成功例を紹介。優れた企画が部局の縦割りなどで終わらないよう、市全体で情報を交換して検討し、子どもたちへのきっかけの場づくりを進めてほしいと求めた。

〇農地の治水機能にも注目を

 上さんは、田んぼや畑の中を走る農業地区の市道が、長い直線道路であることなどから速度を出す車が多く、安全面で不安があるほか、速度の遅い農業用の運搬車などをあおったりし、「遅い車を走らせるな」など心ない言葉をかけるドライバーがいると事例を紹介した。農業を始めたばかりの若い従事者が悲しい思いをしたという。

 市側は、センターラインのない狭い生活道路については、警察庁が自動車の速度を最高30キロに引き下げることを決め、2026年9月に施行されること、それに伴い、市街地では、意識的に道路の幅を狭くするなどの方策がとられていることを回答した。

 上さんは、大雨などの時に田んぼなどで水を貯め、排水が徐々に進むようにして住宅地の洪水を防ぐ農地の治水機能について、もっと注目していいのではと提案した。そのためには、農地の排水路の整備が必要になるが、農業を担う人の理解や協力も得られるのではないかとした。

〇JR南四日市駅は建て替え検討の動き

 笹井さんは、四日市市日永東1丁目のJR南四日市駅の駐輪場があふれ、駅周辺に自転車が放置されていると指摘した。市側は、最近になって、JR側から駅舎が老朽化したため建て替えを検討しているとの話があったと紹介した。ただ、自転車については、すでにあふれている状況があることから、駅舎とは別に対策を検討するとした。笹井さんは日永地区を流れる天白川、鹿化川の護岸などで繁茂した樹木の伐採なども進展を求め、市からは具体的な県の計画などが説明された。