新図書館候補地の調査費、予算常任委は可決の判断、市長の出席も求めて審議、減額修正案も提出

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【委員の質問に答える森智広市長(前列左)と舘英次副市長(同右)=四日市市諏訪町】

 三重県の四日市市議会は9月18日、前日に引き続き、予算常任委員会全体会で新図書館のあらたな候補地をめぐる測量など調査費の扱いを審議した。議会は森智広市長、舘英次副市長に出席を求めて考えを聞いた。最終的に調査費を含む一般会計補正予算案は可決すべきと決したが、調査費を削り落とした減額修正案も提出された。

 結果として、調査費は委員会審議を通った。しかし、「調査費は認められない」とする減額修正案は、賛成少数で否決されたものの、議長と委員長を除く32人の委員の4割を上回る14人が賛成の意思を表明した。一方、市側からの原案には18人が賛成の意思を表した(賛成多数)。

 原案通り可決すべきとされた予算案だが、委員会からは調査費について「地元自治会に十分な説明をし、主要地権者に売買または賃貸の意向を確認し、都度、議会に報告すること」などとする付帯決議案が提出された。

 これは、森市長、舘副市長が、地権者との交渉には土地の価格や広さを正確に把握するために調査がどうしても必要で、調査費の使い方については、まず主要な地権者から交渉して大前提の買収に努めるが、もし、取得がかなわず、賃貸になる場合には議会に相談して進める、などと説明したことを受けた。近鉄四日地駅東の旧スターアイランド跡地での計画断念で市側の説明に不信を募らせた議会側が、市に一定のくさびを打つ内容ともいえる。

 この日の委員会では、市側から概算事業費について、基本計画で位置付けた延床面積13150㎡から土地取得費、建物補償費を除いて120億円~150億円を見込むことが説明された。また、土地取得費は、駐車場などを考え最低限確保したい面積を3500㎡ととらえると、地価公示価格などを参考に、最低でも約3.3億円とした。

 森市長は、長く議論されてきた新図書館のコンセプトを実現するには、現時点では、市役所北のあらたな候補地しかないとし、多くの人が意見を出してくれており、早く実現したいという気持ちでやっていると理解を求めた。

 ただ、委員からは、最高の形のはずだった旧スターアイランド跡地での計画が白紙になった今、いったん、じっくり考え、検討した内容を議会や市民にしっかり示したうえで進めるべきではなかったかといった意見や、今ある市有地を利用することでは本当にだめなのかを問う意見もあった。