四日市公害訴訟で原告患者側が勝訴して52年となる7月24日、近鉄四日市駅北のふれあいモールなどでPFAS(有機フッ素化合物の総称)汚染の調査に四日市市が乗りだすよう求める街頭活動が行われた。公害を体験した四日市市だからこそ、まだ未解明な部分があるこの問題に対し、国の後追いではない積極的な調査をしてほしいとの内容だ。
主催したのは、市民グループの四日市公災害市民ネットで、20人近くが午後5時ごろから約1時間、買い物客などに「PFASは新しい公害」と書いたチラシなどを配った。「水の安全安心を」と書いた横断幕を手に、独自の調査に入ることを市に求めた。同市民ネットは独自の調査を実施して汚染の数値を公表してきているが、米国の規制値4ng/Lに比べてはるかに甘い国の暫定目標値50ng/Lを引き合いに、積極的な調査をしない市の姿勢は後ろ向きだと批判した。
代表世話人の1人、萩森繁樹さんは「市は調査地点を3カ所に増やしたというけれど、私たちが調べた場所より下流ばかり。国の方針が定まらない状況はあるが、全国には独自に調査をしている自治体もある。公害訴訟で歴史的な体験をした四日市市にはもうちょっと頑張ってもらいたい」と話した。
チラシによると、四日市市の最新の水質調査結果では海蔵川33ng/L、三滝橋26ng/L、新開橋28ng/Lと、3地点で国の暫定目標値の50ng/Lは下回っているが、米国の規制値4ng/Lと比較すると、いずれも低いとはいえない状況だという。同市民ネットは、市全域でのPFASの調査をし、排出源を特定し、市民への被害を低く抑える措置をする必要があるとしている。