特殊詐欺、寸劇と講演で注意呼びかけ、四日市市で消費者講座開く

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【詐欺犯から高齢の母親に電話がかかる。迫真の寸劇を見せた演劇集団青の会=四日市市安島1丁目】

 三重県四日市市の消費者講座が7月11日、「じばさん」5階の大研修室であり、シルバー世代など約40人が参加した。今年度、三重県警が活用も呼びかけている鈴鹿市の演劇集団青の会による被害防止寸劇は四日市では初上演だといい、劇団員が迫真の演技で注意を呼びかけた。

 劇団のホームページなどによると、青の会は2019年に鈴鹿市を拠点に立ち上げられた。俳優養成を主に、演劇、舞台上演を行っている。四日市出身の小林聖祥代表は東京の俳優養成所で指導経験もあるといい、三重県でプロの俳優を育てることを目指しているという。

 この日、講座で上演されたのは、息子を装って電話してきた詐欺犯が、「浮気がばれて、裁判になる前に金が必要だ」などと一人暮らしの高齢の母親をだます「オレオレ詐欺」。悪人役の汚い語り口も、だまされる母親役の打ちひしがれる姿など、参加者の声を奪うほどの熱演を見せた。

 寸劇のあとは、四日市南署の阿曽悟・生活安全課長が、10類型に分類されるという特殊詐欺の手口を解説。中でも、未払い料金があるなどとだまして金銭を奪う「架空料金請求詐欺」、警察官や全国銀行協会職員を装って「キャッシュカードが不正に利用されている」などとカードを用意させ、隙を見て盗み取る「キャッシュカード詐欺盗」、SNSでもうけ話を持ち出す投資詐欺や、恋愛感情を利用して金をだまし取るSNS型ロマンス詐欺も増えているという。

特殊詐欺の被害件数や被害額が増えていることを講演で示す四日市南署の阿曽悟生活安全課長

 講座では、多くの詐欺電話は固定電話にかかっているため、詐欺犯がひるむ自動通話録音警告機を取り付けることの勧めや、その場合、購入費補助金制度があることなども紹介された。特殊詐欺被害防止寸劇は、上演希望があれば、三重県警本部生活安全企画犯罪抑止対策係で問い合わせに応じているという。