三重県四日市市上海老町で6月に見ごろを迎え、多くの見学者が訪れていたマルホ農園ヒマワリ畑が、今年は開放されないことになった。農園代表の堀田健一さん(37)が自身のインスタグラムで悩んだ末に決断した経緯を綴っている。人気スポットになって以降、無断駐車や写真撮影での譲り合いのなさから起こるトラブルなどが目立つようになったという。
堀田さんは6月4日付のインスタグラムへの投稿で、今年のヒマワリ畑について「ひまわり畑は開放せず、咲く前に全て倒します」と書き込んだ。当初の想像を超える人が訪れ、臨時駐車場へ入ろうとする車の列で渋滞が起き、無断の路上駐車や、近くの会社や住宅の駐車場にまで勝手に車が入るなど、マナー違反が増え、対処が難しい状態になってきた。写真撮影の位置取りなどをめぐって見学者の間で威圧的な言葉が飛び交うこともあったという。
ヒマワリ畑づくりは2019年からスタートしたという。人参をつくるための緑肥(植物そのものを肥料にする)を、一般的な草などではなく、せっかくだから目立って花を楽しめるヒマワリでと考えた。堀田さんは品種を選び、情報を集め、「見に来てくれた人がなんだかホッとするような、来て良かったな!て思える場所になったらいいな」という思いで続けてきたという。
昨年、見学者が感想などを書き込めるノートを畑に備え、多くの意見が寄せられ、堀田さんの励みにもなっていた。しかし、事故やトラブルなど、何かあってからではいけないと、悔しい気持ちを抑えながら今回の決断をしたそうだ。
満開の6月下旬から7月初めになると、多くの見学者があり、毎年訪れるファンも多かった。それだけに、寂しい気持ちになる人も多そうだ。堀田さんはインスタグラムを読んだ人からの意見も求めており、一度、堀田さんの思いに触れることをお勧めしたい。