岩手めんこいテレビ、テレビ愛知を経て今年3月末までフリーアナウンサーだった武田知沙さん(31)が4月から四日市市観光交流課の任期付職員になった。「9年間のアナウンサー経験を四日市のプロモーションに生かしたい」と目を輝かせる。
兵庫県出身。道端の電柱に「いつもありがとう」と感謝を込めて歌うなど、幼い頃から想像力豊かで表現することが大好きだった。中高は合唱部で活躍し大学卒業後、長年の夢だったアナウンサーの仕事に就いた。
就職するまでは縁のなかった岩手や愛知だが、逆にそれが地元の人にはない視点での魅力発信につながった。任される番組も増え、仕事にやりがいを感じていた昨秋、四日市市がメディアや観光等の専門知識・経験を持つ職員を募集しているのを知り、にわかに思い出したことがあった。「私、観光の仕事もしたかったんだった」。
実は武田さん、大学時代に出身地神戸市の魅力をPRする親善大使を務め、シティプロモーションに並々ならぬ興味を抱いていたのだ。積み重ねたアナウンサー経験が、「今なら、今こそ」と後押しした。「アナウンサーは伝えたいことを言葉で表現する。それに加え、シティプロモーションは企画立案、運営という側面からの表現にも携われる」。
現在は、東海ラジオで毎週土曜午後8時から放送中の同市の広報番組「1・2・3四日市メガリージョン!!7」のメインDJを務める他、公共施設を回ったり、市の取り組みの進捗状況把握に奮闘している。テレビ愛知時代に、水沢町のかぶせ茶カフェなど同市には2回訪れその魅力の一端に触れていた。お茶が有名なことを初めて知り、「もっと効果的にPRしたい」と思ったことも。「工場夜景の印象が強かったが、自然を楽しめるスポットが多いことを知り、新鮮さが増した。広い視野で魅力に気付いて発信していきたい」と意欲を見せている。