被災地で「志ぐれ蛤のだし茶漬け」 四日市の演劇集団が炊き出し

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【炊き出しのテント前で集合する団員ら(提供写真)】

 四日市市の演劇集団ローカルスーパースターズが、能登半島地震から4か月経つ被災地で炊き出しを行った。主宰の野村幸廣さん(59)が呼びかけ、メンバー11人全員が賛同。4月20、21日に石川県珠洲市の避難所2か所で四日市の名産しぐれ蛤を使った茶漬け約370食を振舞った。

 「何かしたいと思っても個人では難しい。そんな時、動ける団体でありたい」という同団の名前の由来は、「身近で大切な誰かにとってのスーパースター」。舞台を通して関わった人によかったと思ってもらえるよう、2003年の結成以来21年、活動を続けてきた。

【彩りがよく評判だった「志ぐれ蛤のだし茶漬け」】

 今回の炊き出しメニューは、三重名産を味わってもらおうと「しぐれ蛤のだし茶漬け」。しぐれ蛤5.2キロは、同市新町の喜太八時雨本舗が安値で卸してくれた。以前小道具に使った羽釜とかまどが役立ったが、それだけでは足りず、同市広永町の中村製作所(無水土鍋ベストポット)と川越町の石川商事(プロパンガス)の協力で鍋と火力問題は解決。協力者皆が「私達の代わりに届けてほしい」と助けてくれた。

【提供を待つ被災者ら】

 当日は、ご飯・しぐれ・だし・盛り付けの4班に分かれ、次々と訪れる被災者に対応。田舎あられと三つ葉を添えた色鮮やかな盛り付けはかわいいと大評判。「おいしい。温かくてほっとする」とおかわりに来る人も。菰野町から嫁いできたという年配女性の「帰りたい」という言葉に胸が締め付けられた。

【体育館で歌う団員ら】

 2日目の炊き出し現場の蛸島小学校では、体育館の舞台で上演作の劇中歌から選んだ3曲を歌った。「どう声を掛ければいいのかわからない。でも歌なら伝えられる。寄り添える」と、「僕が君の愛になる」「ただ生きてるだけでまた明日」という歌詞に心を込めた。「来てよかった。この仲間でまた役に立ちたい」。7月にも現地入りを考えているという。