三重県桑名市長島町の「なばなの里」で、「花ひろば」のチューリップが見ごろを迎えた。3月30日は暖かく晴れ、開園早々、多くの家族連れが花畑の散策を楽しんだ。全国的に開花が遅れ気味の桜だが、園内では幾つかの種類の桜がすでに花を開き、ソメイヨシノもちらほら咲き始めた。週明けから園内の景色は日々変化していきそうだ。
約4万3000平方メートルの広さがある「花ひろば」では、約200種類180万球のチューリップが鮮やかな色を競っている。色分けされた花が帯状に列をつくり、その間の遊歩道をベビーカーを押しながら散策したり、子どもの記念写真を撮ったりする家族の姿が見られた。
「花ひろば」の一角には「ストロベリーアイスクリーム」「ポップコーン」「ドラゴンボール」など、うきうきしそうな名前を持つチューリップを集めた場所もあり、名前と花の形を見比べると、「なるほど」と思え、おもしろい。チューリップの足元では、4月中旬から「花ひろば」の主人公となるネモフィラの青い花も見つけられるようになった。
ソメイヨシノはちらほらだが、園内では異なる品種の桜が一足早く見ごろになっている。枝垂れ桜は、淡いピンクの花をつけ、遠くからも立ち姿が目に入る。ヨウコウ(陽光桜)は、天城吉野と寒緋桜を交配した桜だそうで、すでに濃いピンクの花を多く咲かせている。
桜以外でも、足湯施設の近くにあるハナモモ「源平枝垂れ桃」は、ひとつの木で紅と白、紅白絞りの赤が咲いており、カメラを向ける人も多い。源氏の白旗、平家の赤旗からこの名があるという。
「なばなの里」の長良川側にある水路の堤でソメイヨシノが咲き始めており、見ごろになると、約200メートルの水路沿いの散策路が園内から通行できるようになるという。1998年の「なばなの里」の開業時に植えたそうで、立派に木が成長した。水路沿いの120本と園内と合わせ、ソメイヨシノは約300本あるという。園内ではイルミネーションが6月2日まで続き、花ひろばのライトアップなどもある。