箱根ランナー 地元に恩返し 大学駅伝で活躍 四工出身の3人 地元実業団で走り続ける

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【美し国駅伝のポスターの前に立つ伊藤さん(左)、山中さん(中央)、小林さん(右)=伊勢市で】

 箱根駅伝など三大大学駅伝で活躍した県立四日市工業高校(四日市市日永東)出身の同期3人がこの春、大学を卒業し、地元に近い三重県や愛知県の企業で実業団ランナーとして新生活をスタートする。

 菰野町出身の伊藤秀虎さん(中央学院大)、鈴鹿市出身の山中秀真さん(城西大)、東員町出身の小林篤貴さん(神奈川大)の3人は、四工時代に全国高校総体や全国高校駅伝に出場。美し国三重市町対抗駅伝に、小林さんは小学生のころから、伊藤さんと山中さんは中学から出場。2月に開かれた美し国駅伝では、伊藤さんと山中さんが市町の代表メンバーになり、小林さんも応援に駆け付けた。

伊藤秀虎さん

 伊藤さんは、大学駅伝で一番早く頭角を現した。1年生から全日本大学駅伝に出場。以来、全日本大学駅伝3回(内1回は体調不良で欠場)、箱根駅伝に2年と4年で出場した。

小林篤貴さん

 小林さんは、高校のころ2人にタイムで負け「いつか抜かしてやる」と奮起。2年生で箱根駅伝に出場し、全日本大学駅伝は2回出場。4年生で神奈川大のキャプテンになり、今年の箱根駅伝は故障明けだったが、各校のエースが出場する「花の2区」を走り、自身の大学駅伝の有終の美を飾った。

山中秀真さん

 山中さんの三大大学駅伝デビューは3年の箱根駅伝。アンカーで東洋大の選手とデッドヒートを繰り広げ、最後に突き放し、9位でゴールテープを切った。城西大のシード権獲得に貢献する鮮烈デビューを果たした。4年生は三大大学駅伝全てに出場し、今年の箱根駅伝の城西大3位入賞の力となった。3人は自己ベストが出ると連絡し合い、年に一度会って近況報告。「負けたくない。仲間が頑張っているから俺もできる」と、力をもらった。

 この春から伊藤さんは愛知製鋼(愛知県)、山中さんはトーエネック(愛知県)、小林さんはNTN(桑名市)へ。トラックレースの1万メートルやニューイヤー駅伝で活躍し、マラソンにも意欲を示す。「高校時代の経験があったから、ランナーの土台を作れた。地元に恩返しできる走りがしたい」と決意を新たにした。