JR四日市駅前に大学を設置する計画に専門家が意見を交わした四日市市大学構想策定委員会が3月8日、最後の会議を開き、「四日市市大学設置に係る基本構想」を大筋で了承した。文言など一部の調整をし、年度内に市のホームページなどで市民に公開するという。
〇2024年度から基本計画づくり
過去4回の会議でまとめてきた、理工系の学部や大学院を備えることなどは変化なく、2024年度は大学の設置主体、学部や学生数など大学の規模にかかわること、それに伴う建物(学舎)の規模などを決める基本計画づくりを進める。三重大学が新しい教育研究拠点の検討で四日市市と2月に連携協定を結んでおり、この動きと並行して進むことになる。
〇設置主体は連携型か
この日の基本構想(案)には、想定される設置主体について、「国立大学をはじめ、公立大学の設置や既存の私立大学の移転等の設置主体を想定するとともに、一つの大学の枠を超え、複数大学の設置・協力によるシナジー効果を得られるような大学間連携を念頭に置き、今後検討を継続する」と記した。「同一敷地・建物に複数の大学を配置し、大学間連携を図る」との表現も添えている。
〇委員からは注文も
委員からは、「三重県から若者が他県の大学に流出してしまう現実を考え、近くに優れた教育環境ができることを知ってもらう表現にしてほしい」「産業界の要望が発端の大学構想ではあるが、あくまでも、子どもたちが行きたくなる大学であることが大事で、保護者もそこへ行かせたいと思えるような表現を考えてほしい」などの意見もあった。
大学基本構想は序章(策定の目的、大学の目指す姿)、第一章「四日市市及び四日市市を取り巻く状況」、第二章「大学設置の検討に向けた調査」、第三章「大学設置に関する基本的な方針」から構成されている。
構想策定委員会は、委員長の谷口研二・大阪大学名誉教授と、近藤元博・愛知工業大学総合技術研究所教授、加藤真紀・名古屋大学高等教育研究センター教授、種橋潤治・四日市商工会議所顧問(三十三銀行特別顧問)、堀加奈・四日市市教育委員、舘英次・四日市市副市長の各委員に加え、玉上晃・国立大学協会次長・審議役(元文科省大臣官房審議官)、吉岡基・三重大学理事(研究・情報担当)・副学長、竹茂求・鈴鹿工業高等専門学校長の3人がアドバイザーを務めた。