災害時の情報伝達や水の確保、ケアマネジャーの研修助成、朝明中学の通学路など幅広く質疑、四日市市議会の一般質問

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【6人が一般質問に立った四日市市議会=四日市市諏訪町】

 三重県の四日市市議会は2月26日、二日目の一般質問があり、緊急時の情報伝達など防災対策やケアマネジャーへの助成など福祉の取り組み、中央通り再編後の維持管理費の見通し、朝明中学校の通学路の安全性や国道1号の渋滞緩和策などについて質疑があった。

 この日質問に立ったのは公明党の中川雅晶さんと、政友クラブの上麻理さん、笹井絹予さん、森川慎さん、荻須智之さん、森康哲さんの計6人。

 中川さんは地域包括ケアで重要な役割を担うケアマネジャーの人材確保が課題になっているとし、自治体によって実施している専門の研修(更新研修)について、市も費用助成などを考えるべきだとした。市側は「危機感は市としてもあり、負担や処遇の改善は必要だ。費用助成についても他市の事例を研究するなど検討したい」と答弁した。

 上さんは、能登半島地震で発災直後に携帯の通信障害が大きかったことを受け、いざという場合に生活情報などが伝えられる必要性を指摘した。市側は、機能面が改善されてきた「緊急告知ラジオ」の活用などを答弁した。上さんは中央通り再編後の維持費がどうなるのかについても質問。市側は、車道部分が少なくなり維持費が減る一方、新しい街路樹などの維持費は増えるとし、おおむねコストバランスがとれて、現時点から大きく負担が増えることはないとした。

 笹井さんは、介護や認知症の拠点施設として開館した「ステップ四日市」について、以前の施設と使用目的は同じでないにしても、できるだけ多くの人に使ってもらえる工夫を求めた。地域交通の充実も求め、市が河原田地区で行うAI活用型デマンド交通について質問。市はアプリなどで予約して、運行ルートの間の固定していないポイントにも車が迎えに行けるよう試みるとした。

 森川さんは脱炭素について市の具体策を質問。市側は「温暖化ガスの多くはコンビナートなどの製造業による排出で、官民一体で削減を進め、経済と環境を両立させる」としたが、森川さんは「そのために具体的に何をするのかが見えてこない」と指摘し、専門的な知識をもつ職員が必要だと迫った。市側は人材育成の重要性を認め、加えて、専門家会議の意見や外部の研究会などから最新情報も受け入れながら取り組むとした。

 荻須さんは、朝明中学校の通学路で、郵便局前の交差点が交通量が多いうえに路側帯が狭いなど危険だとして、交通量の少ない山分橋南を通る通学路を導入すべきだと指摘した。市側は、郵便局前の交通量が多いことは認めたうえで、信号設置の可能性がないなど山分橋南の課題もあり、検討しているとした。荻須さんは新型コロナワクチンの副反応で被害に遭った人への救済策も求めたが、市は救済は国の責任においてされるべきで、市の役割はそのためのサポートをすることとの見解を示した。

 森さんは、能登半島地震を教訓に、上下水の危機管理について質問。市側は水道管の耐震化を進めており、緊急用貯水槽なども発災後10日目までまかなえる状況とし、いざという場合は地区市民センターなどに応急給水栓を設けるなどの答弁をした。森さんは、道路の陥没などで水道管の被害が大きいと応急給水栓は役に立たないと指摘。市は想定外の事態に備えて、飲料水の確保についても関係部局で協力して検討していると答えた。森さんは、中央緑地からの車で国道1号の渋滞が起きていることも取り上げ、近鉄新正駅方面へ抜ける道路を用いる実験をするよう求めた。