振り込み寸前の詐欺被害防ぐ、百五銀行富田支店の2人に四日市北署が感謝状

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【詐欺被害を防ぎ、感謝状を贈呈された柱本由美さん(左)と大西紗代子さん=四日市市松原町】

 ATMでの振り込み寸前に「詐欺では?」と疑い、被害を未然に防いだとして、三重県警四日市北署が2月8日、百五銀行富田支店の柱本由美さん、大西紗代子さんの2人に感謝状を贈った。振込先を記載したものがLINEのやり取りだけなどの不自然さに気づき、2人で説得をしたという。

 景井憲一署長が支店に出向き、感謝状を2人に手渡した。景井署長は「日ごろから詐欺に対する教育や情報共有をしっかりして頂いており、2人の連携プレーは見事でした」と言葉をかけた。支店の岩花拓己次長、北署の武馬聡生活安全課長らも同席し、記念写真を撮るなどした。

 事案があったのは1月23日。来店した50歳代の男性が50万円を振り込もうとし、大西さんがサポートしようと声をかけたところ、振り込み先を示す書類などがなく、外国の女性のLINEのやりとりの記載だけで振り込み手順を進めようとしていた。大西さんは不審に思い、柱本さんに声をかけ、2人で男性を説得しつつ、警察にも連絡、署員が駆け付けた。

 署によると、男性と女性のやりとりは2週間前から続いていたらしく、信用させたところで金をだまし取る手口だったらしい。景井署長は「ここでだまされてしまえば、その後、何度もだまされる恐れがあった」と話した。

 柱本さんも大西さんも、毎日の仕事を続けていると、「詐欺ではないか」と思えるような行動をしている人を何度も見るという。「お客様からのサインを見落とさず、耳を傾け、お客様の助けになるよう努めたい」と話していた。

景井憲一署長(右)らと記念撮影をする2人