三重県四日市市のユマニテク調理製菓専門学校(宇佐見靖夫学校長)で1月27日、生徒たちの学びの集大成を発表する作品展があった。細部の彩りにまで気を配った日本、西洋、中国の各料理、洋菓子や和菓子、アーモンド粉や砂糖などを材料に飾りづくりの技術を磨くマジパン細工など、どれも美しい出来栄えで、保護者や高校時代の恩師、レストランや菓子店の関係者など多くの人が見学に訪れた。
学校によると、総合調理学科1年生33人、2年生19人と製菓製パン総合学科1年生23人、2年生28人が計130余点の個人作品を展示した。なかでも、2年生にとっては、学校で学んだことの集大成を表現する場で、今回は「お祝い」をテーマに制作に取り組み、教員らの審査で総合調理部門、総合製菓部門、マジパン部門でそれぞれ金賞などが決まった。
総合調理部門の金賞は、ベトナム出身のグエン・ティ・トゥオイさん(29)。日本の雛祭りを吉兆八寸盛り、鯛の姿焼きや桜煮、ハマグリの吸い物、和菓子のお雛様などで日本の雛祭りを表現。「お母さんと三重県へ2年間の感謝!」の作品名にした。雛祭りは日本に来て初めて知り、調理に臨む前、インターネットなどで調べ、イメージをつくったという。「将来はベトナムに帰って、自分の店を開くのが夢」と話した。
総合製菓部門の金賞は、末松幸恵さん(20)。「お祝い」のテーマで何を表現しようかと考え、新年を祝うイメージから、和菓子で表現した十二支の動物たちや松竹梅で構成する作品「賀正」にまとめた。「練り切り」の手法などでつくられた十二支などはかわいらしく、刻みや飾りつけが細部までていねい。「将来は喫茶店を開くのが夢」だといい、そこでは末松さんの洋菓子も和菓子もいただけそうだ。
マジパン部門の金賞は、佐藤花帆さん(20)。「クリスマスイブ」をテーマに、クリスマスの準備をするサンタクロースたちの様子を飾り付けた。クリスマスツリーの木の葉の刻み、側面を飾るジンジャークッキーにも気を配ったという。昨年、ジャパンケーキショー東京を見学し、そこでイメージが沸いてきたという。就職先も決まっており、「そこで、さらに飾りつけの技術を高めたい」と話した。
展示会場には、学校の講師の特別出品や、日本料理店やホテルなどに就職した先輩たちからの参考出品もあった。訪れた見学者を生徒たちが案内するなど、調理の道を志す生徒らしいおもてなしも見られた。