刃物男を協力して確保、イオンモール四日市北でテロ対策合同訓練

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【買い物客も多い店内で実戦的に行われたテロ対策合同訓練=四日市市富洲原町】

 三重県四日市市のイオンモール四日市北で1月17日、テロ対策合同訓練があり、従業員や四日市北署員ら30人余が参加した。買い物客が多い午後の店内が訓練の会場で、従業員は客への配慮をしながらそれぞれの役割を果たし、いざという場合に備える動きを体感した。

 専門店が左右に構える店内1階で、買い物を装った男が店員とのやりとりの最中に激高し、刃物を取り出すとの想定。大きな声で叫びながら刃物をふりかざす男を、従業員や警備担当者が買い物用カートで取り囲んで通路へ追い込み、通報を受けて駆け付けた警察官が取り押さえた。

買い物用カートで不審者(中央)を囲んで追い込む従業員ら

 買い物客の中には、大きな怒鳴り声に一瞬びっくりした人もいたが、従業員や警察官が訓練であることを伝えて安心させ、安全な方へと案内した。たくさんの人が訓練の行方を見守った。

刃物男を確保。多くの客も見守った

 訓練終了後、イオンモール四日市北ゼネラルマネージャーの鳴川雅也さんがあいさつし、「緊張感のある訓練ができました。お客様の目の前での訓練でしたが、みなさん、気遣いをしながら犯人への対応ができ、実戦に近い訓練でした」と話した。

 四日市北署の小磯直宏警備課長は「事件が起きた時、最初に対処するのは店のみなさんです。シミュレーションをしっかりして、課題が見つかればそこを改善していくことを重ねてください」などと話した。大型店舗での事件では、福岡市で2020年8月、刃物を持った少年に女性が殺害されるなどしており、小磯課長は日ごろからの備えを求めた。