三重県立総合医療センター(四日市市日永)からDMAT(災害派遣医療チーム)として派遣された医師ら5人の隊員が1月5日夕、石川県能登地域での任務から戻り、センターで活動報告をした。派遣先の病院は水が出ず、非常用電気でしのぐ状態だったといい、土砂崩れでかろうじて一車線のみ通れる道路を走って避難所にたどりつくような状態だったという。
5人は医師の西森久史さん、看護師の伊藤大輔さんと早川友章さん、業務調整員を務めた作業療法士の冨中真悟さんと臨床検査技師の佐藤翼さん。1月2日夕に四日市市を出発し、同日午後11時20分ごろ金沢市内に到着。翌3日夕に市立輪島病院に到着し、同4日午後まで病院や周辺の避難所やその周辺を調査し、今後の医療活動に必要な情報を収集するなどした。
DMATは、災害発生直後にチームを組んで派遣され、短期活動ながら、その後の被災地での医療活動に何が必要なのか、情報を収集する任務をもつ。それらの情報の集積から必要な医療活動が組み立てられるなど、医療支援活動の青写真づくりが求められる。
市立輪島病院に到着した時、水が出ず、非常用電気でしのぐ状態だったという。病院には患者のほか、避難してくる人たちもいて、いつも以上に気を張っていたのか、頑張りすぎて、あとになって足や肋骨が折れていることが分かる人もいたという。道路は陥没や土砂崩れなどでかろうじて通れるような状態のところも。活動中にきつい揺れの余震に何度も襲われたという。
センターの新保秀人院長は「交通も非常に悪い中で大変だったでしょうが、とにかく、無事に帰ってくれてほっとしている」と労をねぎらった。