JR四日市駅周辺に新しい大学を開設するための第4回四日市市大学構想策定委員会が12月15日、市役所で開かれ、基本構想の素案が事務局から提示された。素案に対し、地域性を重視しつつ、国際的にも通用する学生をどう育成するか、優秀な教授陣を確保できる方策は、など多くの追加意見が出された。2024年3月に次回委員会を開き、基本構想をまとめる運び。
提示された素案は、序章で基本構想策定の目的、四日市市に設置する大学の目指す姿をまとめ、第1章で四日市市を取り巻く状況、第2章で大学設置に向けたニーズなどの調査、第3章で大学設置に関する基本的な方針をまとめている。
時間をかけて議論されたのは第3章で、設置エリアについて、大学の中心はJR四日市駅前になるものの、中央通り再編で広くなる歩行空間「ニワミチ」が大学のキャンパスとして利用できるとの考え方が示された。近鉄四日市駅東に整備される予定の新図書館と新大学の図書館の連携、中央通りの再編に合わせて整備される高速・大容量通信ネットワークによる企業などとの連携が期待できるなどとしている。
片道通学時間は90分以内に南勢、伊賀・名張地域も含まれ、三重県内の多くをカバーでき、複数の大学、高専、企業などとの研究をJR四日市駅前の同一の建物で行うことで相乗効果が見込まれるとした。「まちをキャンパスとして利用する」との考え方には、企業との共同研究では、秘密保持のため外部の人に入ってほしくない場面もあるとの指摘もあった。
地元の企業から知恵を求められる四日市ならではの地域性をもつ一方、これからの学生が避けては通れない国際化やAIとの関係をどう学び、国際的にも通用する学生を育てることについては、時間をかけて意見が交わされた。全学生を一定期間、外国に留学させるシステムにしてはどうかとの意見もあった。
一方、優れた教授陣の確保が重要だとの意見があり、研究よりも学校の事務的な仕事が雑用のように増えている現実があるため、これらの仕事を専門的にこなせる職員を配置できれば魅力になるのではないかとの意見も出された。