環境省が募集した「環境教育・ESD実践動画100選」に、三重県四日市市の市立橋北中学校の実践が選ばれた。11月30日、森智広市長が定例記者会見で発表した。修学旅行で東京へ行くことを利用し、こども家庭庁を訪ね、子どもをとりまく環境をよくする政策を提言した。
ESDは「持続可能な社会の創り手を育てるための教育」の意味。地球規模の課題を自分事として捉え、その解決に向けて自ら行動を起こす力を身につけるための教育を指すという。
選ばれたのは、タイトルが「自分らしい生き方のヒントを見つける修学旅行」の実践動画。橋北中学は市内では小規模校で、3年生は1クラスだけの26人。修学旅行で、おなじみの東京の名所や施設を回るだけではなく、「自分たちが本当に学びたいもの」を考えて計画を見直し、議論して、提言もまとめた。
幾つかの提言案の中から、飲酒や夫婦喧嘩など「親の家庭での振る舞いを改善する」ための提案、各家庭で無料でインターネットが使えるようにする「情報格差の是正」の提案が採用され、こども家庭庁で発表することもできた。
環境省は、選定理由として「修学旅行先の選定や内容決定の際に、ESDに注力してデザインしている箇所が、他の学校にとっても刺激になりうる」「修学旅行内で、実際の省庁への提言活動を行う主体的な活動は、生徒の『社会と自分とのつながり』を探究しているものである」などと評価している。
認定証授与式が12月9日、国立オリンピック記念青少年総合センターで開かれるという。選定された実践動画は、「環境教育・ESD実践動画100選」からアクセスできる。