脱炭素めざす38事業など骨子案で提示、四日市港港湾脱炭素化推進協議会が設立

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【四日市港のカーボンニュートラルポートへの計画を話し合った協議会=四日市市霞2丁目】

 四日市港を脱炭素化が実現された「カーボンニュートラルポート(CNP)」にするための「四日市港港湾脱炭素化推進協議会」が11月14日に設立された。そのまま第1回協議会が開催され、協議会の目的や今後のスケジュール、脱炭素に向けた取り組み方などが骨子案として紹介された。2024年1月に計画案を提示し、3月に計画最終案を提示する予定。

 協議会は、昨年12月に港湾法が改正施行されたことに伴う組織で、昨年度に会議を重ねて「四日市港CNP形成計画」を策定した任意組織の「四日市港CNP協議会」を法定組織として引き継ぎ、形成計画の内容を踏まえて「四日市港港湾脱炭素化推進計画」をあらたに作成する。会議は四日市港ポートビルで開き、学術経験者、民間事業者、関係団体、関係行政機関の約40団体・個人が委員となって構成されている。

 第1回協議会では、座長に流通科学大学名誉教授の森隆行さんを選出。森座長は「アマゾンやアップルなどグローバル展開をしている企業は計画を前倒しにして進めている。港湾の競争力は、脱炭素化しなければ市場から撤退を余儀なくされる状況にあることを認識してほしい」とあいさつした。

 この日示された「四日市港港湾脱炭素化推進計画(骨子案)」では、温室効果ガスの排出量削減や吸収作用の保全、強化に関する事業として、四日市港管理組合や港湾関係企業、コンビナート企業などが2050年のカーボンニュートラルに向けて取り組んでいく38の事業について説明があった。

 照明のLED化、バイオ燃料対応船の導入、アンモニア燃料船導入、バイオ燃料活用、バイオマス発電、SAF(循環型の原料で製造された航空燃料)の供給などが挙げられ、比較的早い段階からCO2の削減につなげる事業があれば、2050年に向けて今後準備をしていくものなども入っている。