雨水対策を議論、異常気象に対し従来にない発想必要、四日市市議会の都市・環境常任委

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【雨水対策を都市・環境常任委員会で議論した四日市市議会】

 三重県の四日市市議会は11月13日、都市・環境常任委員会を開き、休会中所管事務調査として雨水対策について市側から説明を受けた。かつて、大きな雨水の調整機能をもっていた農地が住宅地に置きかわり、浸水区域が増えた現実もあり、委員からは、関連する開発について考える必要があるのではないかとの意見もあった。

 市側は、都市整備部と上下水道局が作成した、市内の主要な河川でのこれまでの対策状況や、現在進んでいる対策などが説明された。田畑の減少など都市化によって雨水流出の抑制機能が低下し、線状降水帯などの豪雨で浸水被害が多発しているとして、限られた財源の中から対策を実施する区域を明確にしていくなど、今後の方針が説明された。

 委員からは、雨をいったん地中に戻し、自然がもつ巨大な調整池のような働きを利用するなど、最近の異常な気象に対応できる、これまでとは違う発想が必要ではないかとの発言があった。透水型舗装や、残っている田んぼの活用、一般住宅の雨水をいったん貯めて、雨水の使い方に知恵を絞るなど、市民全体での取り組みなども語られた。

 一方、小規模な太陽光発電設備など一定規模に満たない開発で、特に斜面の土地では雨水があふれ、住宅に迫っているなど、法などの規制がないために悩んでいる地域があるとする委員からの指摘もあった。小規模な開発が重なれば、そのたびに下水道などの投資が必要になり、その積み重ねの果てに、浸水被害が起きたときには別の投資が必要になるような二重投資は意味がないとして、全体の市の街づくりを考えていくなかで小規模開発を一定範囲で規制するなどの考えも必要なのではないかとの意見があった。議会が市への提案や条例化などを考えてもいいとする意見も出された。