古民家再生 情報発信基地に 有限会社山口陶器

573

【古民家の縁側に座る山口さん=菰野町川北】

 菰野町の古民家を中心とした約5千平方メートルの土地に誕生した「かもしかビレッジ」(菰野町川北)。運営するのは、食器の製造をする有限会社山口陶器で、企画、製造、流通まで自社で行う。産地全体が活気を取り戻し、まちを元気にしようと奮闘している。

 1973年、代表取締役の山口典宏さん(48)の父が立ち上げた。2003年に山口さんが入社し10年に代表取締役に就任。物のない時代はどの地場産業も栄えていが、窯業は衰退産業の一つと言われるように。今後の在り方を模索し「新しい地場産業のカタチをつくる」というミッションにたどりついた。

かもしかビレッジをオープン 

 山口さんに賛同する人にはカフェオーナーや建築業、デザイナーなど様々な業種の人がいる。「地域の人が普段出会うことのない人と交流することで新たな仕事や発見が生まれる」と考えた。21年に自社工場前にかもしかビレッジをオープンした。今年春、敷地内の古民家をリフォームし、3Dプリンターが体験できるラボやコワーキングスペースとカフェを作った。月に一回の開村日以外にも週に数日開放日を設けこれらの設備を利用できるようにした。

 開村日には近所の人も訪れ夏にはプールやすいか割りも楽しみ、木陰で寛ぐ人も。近所の人に「田舎に人が集まる、いいもの作ってくれた」と好評だ。 

 今後は観光客や地域の人が観光スポットや、美味しい店などを相談できる場所にし、身近で地元感のある情報発信基地を目指す。「地場産業が活気を取り戻し、町をもっと元気にしたい。緑豊かで空気もいいこの場所にゆっくりしに来て」と語った。

開村日のワークショップで木工をする人