神酒「三重の新嘗」よい出来栄え、四日市の宮崎本店で「醸終祭」

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【汲み出したばかりの白酒をお供えする宮崎由至会長(右)=四日市市楠町南五味塚】

 伊勢神宮をはじめ三重県下815の各神社で行われる「新嘗祭(にいなめさい)」にお供えする神酒「三重の新嘗(にいなえ)」ができあがり、11月7日、株式会社宮崎本店でお祝いの「醸終祭」が開かれた。夏の暑さ続きで酒米の出来が心配されたが、蔵人が技術を尽くし、よい出来栄えになったという。

 神酒「三重の新嘗」の謹醸は1933年から始まったが、2012年から四日市市楠町の株式会社宮崎本店が依頼されている。神酒をつくり始める「醸始祭」は10月2日に行われており、今回の「醸終祭」は91回目にあたるという。

 神様に新しくできた酒をお供えする儀式では、三重県神社庁の塚原徳生庁長や神宮の代表者、県内の神職の代表者、謹醸者の宮崎本店から宮崎由至会長らの20人余が参列し、杜氏の手で汲み出され、杉の桶に入れられた白酒を神前にお供えし、無事にできあがったことを感謝した。

厳粛に行われた醸終祭

 塚原庁長はあいさつで、「今年の天候は不順だったが、昔のどぶろくさながらのよいお酒ができた」と紹介した。宮崎会長は「蔵人が技術を駆使して、いい出来栄えにしてくれました」。毎年、この神酒がすべての新しい酒づくりの始まりになっているといい、「いいスタートにしていただきました」と話していた。

 新嘗祭は、豊かに実った初穂をはじめ、海川山野の産物をお供えして神様に感謝し、国の繁栄を祈る祭り。11月23日に行われている。