三重県四日市市議会の人権施策等調査特別委員会は11月2日、3回目の会議を開き、同和対策について議論した。市が同和対策事業で投入してきたこれまでの歳出額や、この10月14、15日に同市で開催された第57回三重県人権・同和教育研究大会について、市側から説明や報告を受けた。
同特別委員会は、さまざまな人権施策について、市議会としてしっかり考えていくべきだとの考えで9月に設置された。
委員からの求めで、1969年4月から2002年3月までの市の同和対策事業費の歳出額の資料が提出された。総額は246億1415万円で、最も金額が大きかったのは生活環境施設整備関係。資料は期間中の項目別の総額のみを記していたため、委員から、もう少し詳しい資料がほしいとの求めがあった。
研究大会は、市では8年ぶりの開催といい、市の職員も運営や参加者としてかかわったことが報告された。特別委員会は、同和対策について、さらに議論を深めるため、11月24日に公益財団法人反差別・人権研究所みえ(ヒューリアみえ)から講師を招いて話を聞くことにした。全員協議会形式にし、特別委員会の委員以外の市議も話を聞けるようにする。次回の特別委員会は11月9日。
委員会の議論では、委員から「一律に施策をする必要があった時代に、見た目の格差には目に見える改善はあったように思う。しかし、次に何をするかについては、今の要望の実態がどうなっているか、あらためて調査し、必要なことに施策がなされるべきではないか」など、時代に応じた市の施策の深化を求める意見があった。