大きな交通渋滞が予想されるなど、開催を断念せざるを得ない状況になっていた「四日市ハーフマラソン」について、10月19日夜、計画の意思決定機関でもある同マラソン実行委員会が市総合会館で開かれた。採決で「四日市ハーフマラソン(仮称)開催計画を中止する」「本会の解散を念頭に清算事務を進める。解散の発議については決算認定の後に行う」の二つの今後の方針を決めた。これにより、四日市ハーフマラソンの実施は正式になくなった。
事務局から、あらためてこれまでの議論の経緯や、渋滞が市内のみならず、他市町へも波及する可能性が大きいことなどが説明された。このあと、今後の方針について説明があり、事務局案を賛成多数で認めた。
ただ、採決の前には、「かつて開かれていた『四日市シティロードレース大会』のようにはできないか」などの意見があり、ハーフマラソンはできないにしても、ほかの形での開催を考えるべきだとの思いは委員の多くに共通している様子だった。
公式記録や全国から人を呼ぶハーフマラソンではなく、市民が望む形での走るイベントの再考は、これまでの市議会の議論でも出ている。いったん、ハーフマラソンの計画を白紙に戻したあと、市民の要望などによっては、いつか、あらたな走るイベントの検討が始まる余地はありそうだ。
実行委員会に提出された資料によると、四日市ハーフマラソンの開催事業にかかる支出経過は、2018年度に基本計画策定業務委託、交通量調査などで256万円余、2019年に実施計画策定業務委託など928万円余、2020年度に会場・コース詳細図作成委託などの実行委員会補助金で288万円余、2022年度が四日市コンビナート夜景ランフェスティバル開催事業、交通量調査、交通規制計画等作成業務委託など5365万円余などとなっており、合計では6838万2149円。
実行委員会は森智広市長を会長に、陸上競技協会、市スポーツ協会、市、商工会議所、自治会などの関係者で構成されている。この日は、実行委員長の渡辺敏明副市長が「会長の森市長に代わって、今回のことをおわびしたい」と話す場面もあった。