「四日市コンビナートカーボンニュートラル化推進委員会」の第1回会議が7月19日、三重県四日市市の四日市商工会議所で開かれた。今年3月に発表した2050年に向けたグランドデザインを具体化していくための委員会で、今後、六つの部会で実質的な検討を進める。それらの検討内容や成果を持ち寄り、来年1月に2回目の推進委員会が開かれる。【国、三重県、四日市市、企業、学識経験者らが意見を交わした第1回の推進委員会=四日市市諏訪町】
2022年度に会議を重ねた検討委員会では二つの部会が立ち上がったが、その「生産プロセス部会」「副生ガス利活用検討部会」に、あらたに「ケミカルリサイクル連携部会」「水素・アンモニア拠点化検討部会」「共同インフラ設備連携検討部会」「広域・他業種連携部会」を加えた六つの部会体制で推進委員会はスタートした。
会長役の一見勝之知事と議長役を務める森智広市長が会議終了後に記者の質問に答え、最近、初会合をもった「ケミカルリサイクル連携部会」「水素・アンモニア拠点化検討部会」の議論に関するものが意見交換の中心になったことを紹介した。ケミカルリサイクル関連では、食品トレーやPET回収、廃プラスチックの回収などが議論されるが、7月5日に四日市市と化学製品を手がけるDIC株式会社が包括連携協定を締結する動きもあった。
水素・アンモニア関連では、供給側と使用側の意見が交わされたという。扱う内容の規模が大きいため、すぐに結論が出るものではないが、知事、市長とも、四日市コンビナートがこのテーマにどう向き合っていくかの議論が始まった意義は大きいとの見解を示した。(記者の質問に答える一見勝之知事(右)と森智広市長)
また、今回から四日市港管理組合が正式に委員に加わったといい、知事はコンビナートのテーマを話し合ううえでプラスになるとの見解を述べた。また、学識経験者から、環境分野の国の機関にも入ってもらった方がよいとの意見があったという。
会議の中では、経産省中部経済産業局から「水素社会の実現及びサプライチェーン構築に向けた動き」、国交省中部地方整備局から同局の取り組みに関する報告がそれぞれあった。水素・アンモニアの需要拡大支援などの今後10年間の政府支援額のイメージや、CO2固定化コンクリートなどの低炭素技術などについても説明された。