三重県四日市市議会の一般質問は6月16日、政友クラブの5人が立った。近鉄四日市駅東の旧スターアイランド跡地に建つ新ビルに新図書館が入ることが発表されているが、新図書館の開設後も現在の図書館は収蔵庫や児童図書専門館として利用が続くことになり、この日のやりとりで費用対効果を問題視した市議から「市議会は、この問題で白紙委任しているわけではない」などの厳しい意見も出た。【一般質問が続く四日市市議会=同市諏訪町】
荻須智之さんが新図書館と現図書館の今後について質問した。市側は、現図書館の建物が50年経過し、あと20年ほどで基本的に撤去になると説明。2005年から続く市議会も含む議論の中で、今、新図書館の開設をめざしていると、これまでの経緯を説明した。市議によると、当初、現図書館は新図書館開設後に撤去されるとの受け止め方だったという。
荻須さんは、新図書館の利用者が周辺駐車場を利用した時に市が一部を補助した場合、市の負担は多額になることを指摘。さらに、「紙の図書が電子化する流れの中で、今のまま新図書館計画を進めるべきなのか」とも意見を述べた。
同じ政友クラブの川村幸康さんは関連質問で「市側は、これまでの経緯を受けてというが、市議会は図書館計画の進め方に白紙委任を出したわけではない」と厳しい意見を述べ、「近鉄との新ビル協議で、いざという場合、キャンセルすることはできるのか」と迫った。市側は「どちらかに意義がある場合は協議することができることになっている」などと答弁した。
伊藤嗣也さんは、市立四日市病院、現図書館、市文化会館に近いところに近鉄湯の山線の新駅をつくり、湯の山線が存続しやすいようにし、現図書館は科学や産業を子どもたちに伝える場として活用する提案をした。市側は費用と効果の見極めが必要だとした。
上麻理さんは、自ら農業に従事した経験などから、これからの農業を考える「人・農地プラン」が各地域で出そろった今、これをどう具体化させるかに市が本気で取り組むことなどを求めた。県道四日市鈴鹿線のバイパス工事により、内部地区の交通事情が激変し、生活に影響を与えるとして、速やかな安全対策などの実施も求めた。
笹井絹代さんは、中央通り再編などについて質問。市側は、新バスターミナルに乗り場が集約される高速バスが、現在の東京、大阪方面だけでなく、あらたな路線も獲得できる期待ができるなどと答弁した。
森川慎さんは、市役所で働く非正規職員の割合が増えていることから、正規職員を増やすべきではないかと質問した。市側は、年度ごとの聞き取りで計画をつくって適所に配置している、などと答弁した。