大学誘致構想や終活支援などで議論交わす、四日市市議会の一般質問

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 三重県四日市市議会の一般質問は6月15日、市議7人が質問に立ち、JR四日市駅周辺の大学誘致構想や、身寄りがない市民の終活支援などについて議論が交わされた。終活支援に関しては、今年2月に市議会が市長に提出した提言集にも含まれており、市側は「市民のためにどうするか、前向きに検討していきたい」などと答弁した。【一般質問が続く四日市市議会=同市諏訪町】

 大学誘致構想については小林博次さん(市民目線の会)が質問した。5月に四日市市大学構想策定委員会の議論が始まったが、デジタル・グリーンの成長分野への大学の取り組みを支援する国の制度も得られるかたちで進めたいと説明する市に対し、「少し遅いのではないか」と、検討のスピードアップなどを求めた。

 終活支援は荒木美幸さん(公明党)が質問した。核家族化などが進み、頼れる親族がいない市民が増えており、人としての尊厳を守るために、だれもが安心して死を迎えられる支援が必要だとし、市の具体策を求めた。

 荒木さんや市の答弁によると、引き取り手がなくて市が火葬した人は年々増え、2020年に29人、今年度も増加傾向にあるという。荒木さんは神奈川県横須賀市や名古屋市、松阪市などの先進例も挙げ、四日市市でも具体化すべきだとした。

 田中徹さん(市民目線の会)は、高齢者などの足になるデマンド型交通について質問。市側は実施中のデマンドタクシーが、さらに利用しやすくなるよう検討を続けるなどと答弁した。ふるさと納税についても、文化・体験ものを充実させるべきと求め、市側は現時点で46品目があるが、あらたな開拓にも取り組みたいとした。

 無会派(日本共産党)の太田紀子さんは、4月に始まった中学校給食のうち、アレルギー対応について質問し、アレルギーの対象食材をさらに厳密に取り除くなどの方策を取るべきだと求めた。同じ無会派(日本共産党)の村上暁さんは、給食費の無償化や、子ども医療費の助成を現在の15歳から18歳に延長することなどを求めた。市側は、給食費については「恒久的な無償化は慎重な判断が必要だ」とした。医療費助成については必要な経費が年2億円程度と試算しており、有効な子育て支援策にもなるとして、「優先順位を考慮しながら検討する」などと答弁した

 山口智也さん(公明党)は、申請書類の記入などが負担になる窓口業務を、申請者が記入せずに進められる「書かない窓口」にできないかと質問した。市側はデジタル化を見据え、市民の利便性を図るとした。郊外団地の街路樹の剪定などのあり方なども質問した。森智子さん(公明党)は、若者の四日市市への就職や定住を促すため、市独自の奨学金の返還免除制度などを活用すべきと提言。若者が奨学金の返済で苦しまず、豊かな卒業後の人生を送れるようにすべきだとした。