歴史や文化を感じられる磨き上げた四日市市ならではの土産をつくろうと、三重県四日市市が新しい土産ブランド「泗水十貨店(しすいじっかてん)」を立ち上げた。高級感のあるブランドで市のイメージアップを図ろうというねらい。2025(令和7)年度の本格販売をめざしており、先行して6月から8品を販売する。【先行の8品を紹介する森智広市長。宿場だった歴史を感じさせるようなロゴもつくった=四日市市役所】
「四」のつく日に市場が開かれたことが地名の由来とされる「四日市」だが、市によると、水が豊富に湧き出る四つの井戸があったことで「泗水の里」とも呼ばれたという。そんなこだわりを感じさせる特産品を、百貨店のように数多くではなく、少数厳選で提供できる店をイメージし、あえて数が少ない「十貨店」という造語で表現したという。
市は、ブランド立ち上げのため、2020年度から市場調査やコンセプトを検討し、商品の選定、統一的なパッケージの制作などを進めてきたという。2023、2024の両年度に先行販売をして調査を重ね、さらに商品の募集や選定を進め、最終的な2025年度の販売には30品をそろえる計画という。
今回、先行して販売するのは「香るうちわ 緑茶の香り」(株式会社稲藤)、「濃い抹茶グリーンティ」(有限会社萩村製茶)、「ごはん鍋(2合)」(株式会社スズ木)、「四日市カステラ かぶせ茶」(夢菓子工房ことよ)、「伊勢水純正胡麻油」(九鬼産業株式会社)、「茶房露 かぶせ茶」(老舗茶農家の小さなお菓子工房万次郎)、「なが餅」(笹井屋)、「手延そうめん」(有限会社渡辺手延製麺所)の8品。いずれもこのブランドのための新商品だという。
これらは、6月3、4日の第73回全日本実業柔道団体対抗大会(四日市市総合体育館)でイベント販売をスタートさせるほか、6月14日から近鉄百貨店四日市店2階プラグスマーケット、同15日から「じばさん」1階名品館、9月15日から近鉄四日市駅構内ファミリーマート横、などで販売を始める。
森智広市長は「ハイクラスな土産、上品なブランド。四日市を訪れた人に手にしてもらい、それらによって四日市のイメージをよいものにしていければ」と話している。将来は、東京やサービスエリアでの販売、ふるさと納税の返礼品などにも活用していきたいという。